第二
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そして
「・・・・・・父さん」
青年は父親の頭部を求めて辺りを見回したが、すぐに目をそらした
「親父さんのことは、残念だったな」
シャガルは、腰の抜けた青年に手を差し伸べながら言った
青年は一瞬躊躇ったが、すぐに手を取り、立ち上がった
「ああ・・・いや、それより危ないところを助かったよ」
青年はペコリと頭を下げ、小さくありがとう、と礼を言った
「いや、いいんだ。俺もここを偶然通りかかっただけだし。それより・・・」
今どんな状況なんだ?ここはどこだ?などと聞こうとしたところで、シャガルは青年の視線が自分にないことに気がついた
「あぁ・・・そうだな。先に親父さんを埋めてやるか。自分でやれるか?」
「はい。ありがとうございます」
青年は涙を浮かべながら、父親の頭へと近づいていった
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「えっと、偶然通りかかったって言ってましたが・・・」
「ん?そうだな」
彼の父親の埋葬が終わり、その場に無言のみが漂っていたとき、最初に口を切った
のは青年の方だった。
「えっと、この森は地元の人間ですら迷うぐらい深い場所な上に、地元の人間も滅
多に来ない場所なんですけど・・・」
青年は、シャガルの身なりを見ながらそう言う
確かに、泥汚れがあるわけでもなく、木の葉などが付いているわけでもなかった
(空を飛ぶにしても媒介らしいものはないし)
青年の中での常識といえば、魔法媒体で言えば指輪や腕輪など小さいものが多い
が、空を飛ぶためには杖などが必要なはずである。
「あー、実は俺、この世界の住人ってわけじゃなくてな」
「つまり、旧世界人ってことでしょうか?」
(旧世界?)
シャガルは、その単語に首をかしげる
前にいた世界はこちらの世界からは確認されているのか?
しかし、前の世界からはこんな世界を確認することはできなかった。それに、魔法
の形態が違うこともある。
「なぁ、その旧世界ってのの魔法は、こんなのか?」
シャガルは、発動こそさせないものの、前世界での魔法陣を中に描く
「いえ、この世界と同じ魔法ですよ。一部違うところもあるらしいですが基本
は・・・」
なるほど、とシャガルは納得した
(やはり、ここは全くの別世界か)
「すまんが、俺はその旧世界と言うところから来たわけじゃない。もっと別の場所
から来た。だからこの世界のことも全く知らないし、なんでここにいるかもわから
ない。」
「どういうことですか・・・」
青年は、わけがわからない、といった顔でシャガル
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