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いいところを見せようと
第七章

[8]前話
「やっぱりええとことか見せて好きになってもらったからやろ」
「ちゃうちゃう、またちゃう」
「そこに出てるところは出てるけれどな」
「春奈ちゃんは御前の告白受けたんは別の理由や」
「別の理由で受けたんや」
「ほなそれ何や」
 その別の理由をだ、彼は問うた。
「一体」
「御前がそこまでする、その気持ちや」
「それを春奈ちゃんは見てな」
「自分のことほんまに大好きなんやってわかったからや」
「それで御前の言葉に応えたんや」
「じゃああれか、俺が春奈ちゃんを好きやってこと」
 賢枢は彼等のその言葉を聞いて言った。
「それ自体がないな」
「そや、自分をそれだけ好きやってことがな」
「わかるとな」
「やっぱり応えるわ」
「人は好きでいてくれる人にな」
 その想いが伝わってというのだ。
「それでや、まああそこまでしたところに気持ち出てたしな」
「それ春奈ちゃんも見たしな」
「そのこともあってや」
「春奈ちゃんも受けたんや」
 賢枢に対してこう語るのだった。
「そういうこっちゃ」
「それでわかったな」
「ああ、俺自身が春奈ちゃんをゲットしたんか」
 賢枢は改めてだ、友人達の言葉に頷いて答えた。
「成程な」
「ああ、その行動はストーカーめいてもいたけどな」
「気持ちは確かに伝えてたわ」
「御前が春奈ちゃんをとことん好きやって気持ちは」
「あの娘にな」
 そしてそれが今の賢枢の幸せを導いたことをだ、友人達は言うのだった。その彼に対して。


いいところを見せようと   完


                           2014・9・17
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