第一章
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いいところを見せようと
林賢枢は台湾から日本の八条学園に語学留学で来た。
背は一七三程度であり黒髪をセンターにしている、眉を整え明るい目元といつも笑っている感じの赤い唇にだ。
少し細面で色は白い、服装は日本に来る前に勉強して日本のファッションをかなり忠実に再現している。そうしてだった。
日本で知り合った友人達にだ、こう言うのだった。
「何かな」
「おい、段々言葉使い変わってきたな」
「関西弁になってきたわ」
すぐにだ、友人達は彼等に笑って言った。
「ここは神戸やからな」
「神戸弁が板についてきたわ」
「いや、大阪や」
そちらの言葉だとだ、賢枢は彼等に返した。
「俺の言葉はな」
「大阪かよ」
「そっちかいな」
「大阪か」
「大阪めっちゃええとこやな」
その随分流暢な関西弁での言葉だ。
「食いもの美味うてしかも明るい」
「そやからか」
「大阪好きやからか」
「それでかいな」
「気に入ってるんやな」
「ああ、大阪はええとこや」
それで好きだというのだ。
「あそこはな、この学園もええけどな」
「大阪の方が好きか」
「そっちの方が」
「ああ、好きや」
まさにというのだ、そしてだった。
そうした話をしつつだ、彼はこうも言った。
「これで彼女おったら完璧やな」
「女の子か」
「食いものの次はそれか」
「ああ、日本は可愛い娘も多いわ」
ここでこう言ったのだった、友人達に。
「それで俺も彼女ゲットって考えてるんやけどな」
「じゃあ合コンでも参加するか?」
「サークル入っていい娘見付けるか」
「ああ、サークルな」
賢枢は友人の一人の言葉に応えてだ、ぽんと手を叩く感じになってだ。そのうえで彼等に対して言ったのだった。
「それええな」
「サークルかいな」
「サークル入るんかいな」
「俺台湾でテニスやっとってん」
ここでこのことを言うのだった。
「どや、お洒落やろ」
「お洒落っていうかな」
「お約束やな」
「もてたいっていう奴がやるスポーツやとな」
「サッカーと並ぶな」
「台北のテニプリって呼ばれてたんや」
こうも言うのだった。
「そやからテニスのサークル入ってな」
「そこで彼女見付けてか」
「楽しくやるんやな」
「そうするわ、ほなな」
賢枢は日本の友人達に明るく応えてそうしてだった、実際にテニスサークルの一つに入った。そしてそこで。
一人の女の子を見付けた、茶色がかったロングヘアの小柄な女の子だった。
小柄だがスタイルはいい、目は大きくはっきりしている。鼻の形はよく唇も形がよくだ、睫毛は長くそうして眉毛の形もいい。
名前を麻宮春奈という、その彼女を見てだ。
賢枢は一目惚れした、そして友人達
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