第四章
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「私の名前を取って」
「そうですか、アテネですね」
「アテナ様のお名前を取って」
「そのうえで、ですね」
「アテネとされますね」
「そうです、そして人間達には智恵に学問、それに技術を授けます」
意気揚々としてだ、アテナはこうも言うのだった。
「約束通り」
「約束を守らればなりませんね」
「それは絶対ですね」
「若し約束を破れは」
その時は、というのだ。
「これ以上守護をする街を増やせないので」
「人間達も選ばなくなり」
「そうなるからですね」
このことはニンフ達もわかっていた、人間とて馬鹿ではなく守護神に選んだ神が約束を守り恩恵を与えてくれなければ信用しなくなるのだ。
それでだ、アテナも約束は守らないといけないのだ。そのことがわかっているからこそここでこう言うのである。
「充分に、ですね」
「恩恵を与えますね」
「そしてです」
そのうえで、というのだ。
「アテネには神殿を建てます」
「アテナ様の神殿を」
「それを」
「これは当然のことです」
守護神になったからには、というのだ。
「これ位は認めてもらわないと」
「街の名前と共に、ですね」
「そちらも」
「そうです、ではアテネの守護神としての働きもはじめましょう」
こうしてだった、アテナは街の名前をアテネとしてだ。そうしてだった。
そのアテネの守護神としての仕事もするのだった、そして守護神選びに敗れたポセイドンはどうなったかというと。
海界の己の宮殿の玉座に座ってだ、彼は苦い顔をしていた。そのうえで眷属の海の神々に言うのだった。
「残念だったな」
「はい、そうですね」
「今回は」
「折角いいところまで行ったというのに」
「あと一歩のところで」
「全くだ、あそこでオリーブを出されたのがな」
アテナの最後の贈りものであるそれが、というのだ。
「痛かった」
「まことに」
「あれが効きました」
「そのせいで、です」
「ポセイドン様は敗れました」
「そうだな、しかしだ」
それでもと言う彼だった、そうして。
そのうえでだ、彼は眷属の神々に言った。
「次だ」
「次ですね」
「次の守護神選びはですね」
「勝ちましょう」
「相手が誰であっても」
「うむ、このことを教訓にしてな」
ポセイドンは項垂れていた顔を上げた、そのうえで海の神々に言った。
「それではな」
「はい、次の守護神選びには」
「絶対に勝ちましょう」
「それではです」
「是非共」
「うむ、次の守護神選びの用意に入る」
気を取り直しての言葉だった。
「贈りもの等や人間達への説明のことを考えておこう」
「さすれば」
「そうしましょう」
海の神々も彼等の主神に言う、そうしてポセイドンは次の戦いに向かうのだった。
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