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アイドルでも女の子
第五章
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「女の子が読むとね」
「特に、なんですね」
「私も好きだしね」
 妙子は運転しつつにこりと笑って言った。
「彼氏には内緒だけれど」
「あれっ、マネージャーさんお付き合いしてる人が」
「内緒よ」
 くすりと笑って返した妙子だった。
「このことはね」
「内緒ですね」
「ええ、それでお願いね」
「わかりました、それでお仕事は」
「その対談のことね」
「宜しくお願いします」
 美奈世からも妙子にお願いした、妙子はこの時は対談の仕事を持って来ようと考えていた。しかしその話がだった。
 何とだ、ドラマの仕事でだった。
「えっ、ドラマのですか」
「うん、ヒロイン役でね」
「それで相手役の人がですか」
「美月弥生さんなんだよ」
 事務所の社長はその事務所の中で話を聞いて驚く妙子に話した。
「あの人が主演でね」
「女同士の恋愛を描いた」
「そのドラマのヒロインにね、美奈世ちゃんにオファーが来てるんだよ」
「それは凄いですね」
「確かユーあれだよね」
 社長は何処かの大手事務所の社長の様に妙子に問うた。
「美奈世ちゃんにヅカの」
「はい、男役の人との対談のお仕事考えていました」
「あの娘がベルばらファンだから」
「そのつもりでしたけれど」
「美月さんはそのままだね」
「宝塚の男役出身で」
「しかもオスカルを演じたこともあるよ」
 その美奈世が憧れてやまないオスカルを演じたこともあるというのだ。
「あの人はね」
「それでしたら」
「あの娘にとって悪い話じゃないね」
「ドラマのヒロイン役ですから」
 このことだけでもだった、アイドルである美奈世にとっては。
「悪い筈がありません」
「そうだね、それじゃあね」
「美奈世ちゃんにもお話しますけれど」
「マネージャーとしてこの仕事に賛成だね」
「断る理由がありません」
 全く、というのだ。
「喜んで受けさせてもらいます」
「よし、じゃあ決まりだね」
「美奈世ちゃんにもお話しておきます」
「あの娘演技力もあるからね」
 このこともまた美奈世の売りだがそれも活かせるからだというのだ。
「ドラマはいい仕事だよ」
「それでは」
 こうしてだった、美奈世にとって思わぬ展開となったのだった。
 その話を聞いてだ、美奈世もだ。
 話を伝えた妙子にだ、目を輝かせて問い返した。
「あの、ドラマで」
「そう、オスカルをやった人とね」
「共演ですか」
「しかもね」
「私がヒロインで」
「その人が主演でね」
 妙子も美奈世ににこりとして話す。
「共演するのよ」
「女同士の恋愛ですか」
「その立場で共演するのよ」
 こう美奈世に説明するのだった。
「わかったわね」
「何かそれって」
 妙子の説明を受けてだ、美奈世は夢を見ているか
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