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ストライク・ザ・ブラッド短編
紗矢華相手です
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あるらしい。
まず彼女には男慣れしてもらうこと。次に、雪菜同様に戦闘訓練を受けること。


その相手に任命されたのが明人で、上層部のお気に入りらしい。
何故お気に入りなのかはさておき、出会いがしらで紗耶華は―――怒鳴ったのだ。


何故この男が、自分の教官なのか?
もっと相応しい奴がいるのではないか?
そもそも男と戦闘訓練なんて真っ平ごめんだ。


等々、鳴りやむ事のない文句の荒らし。もしくは怒声を何度も浴びせた。


しかし上層部の意見を否定するわけにもいかず、渋々紗矢華は彼との戦闘訓練を肯定せざるを得なかったのだ。


―――嫌々な気持ちで、戦闘訓練を付き合う事になった


訓練の度に、彼は場を和ましているつもりなのだろうが。
ちょくちょく意地悪を仕掛けてくる。それに対して紗矢華は怒鳴り散らした。


このセクハラ、訴えるぞ、と。
さすがの明人はそう言われれば行動を取ることなく、真剣に訓練を再開した。


飄々とした態度はいけ好かない。けれど実力はやはりお気に入り、圧倒的で―――タメになる事も多く、頼りになる先輩でもあった。


同じ年のはずなのに、戦闘と日常会話のメリハリがしっかりしている。


次第に、向こうの話を聞く事にも慣れ始めた。
目を見て話す事にも余裕を持てるようになった。


次第に―――明人の事が目を離せなくなり、視線を追うようにもなった。

戦闘訓練も、一年と言う月日が経った頃の話だ。
今でいう得意な戦闘スタイルも会得して、明人との実戦形式の訓練もまともに相手できるようになった頃の話だ。


上層部からの指示で、明人と雪菜に『絃神島に移住して、ある人物を監視して欲しい』という命令が下された。


つまり、以後明人と戦闘訓練が出来なくなるという事。
彼を目で追う事も、会話する事も、これから出来なくなるという事だ。


男嫌いでもある紗矢華は、ようやくこれで解放される―――なんて気持ちは湧かなかったのだ。
寧ろ逆で、明人と色んなことを過ごす生活が出来なくなることに、妙なざわつきと寂しさが募っていった。





この気持ちの正体を、紗矢華は知っている。
けれどそれを打ち明ける事は叶わないまま―――明人は雪菜と共に絃神島へ向かった。


そして、紗矢華にも別の任務を言い渡されて。
けれどその任務のお陰で紗耶華は、明人に再会する事が出来たのだ。


久々に会えた事の喜びは、打ち明けられず。
雪菜曰く『ツンデレ』とかいう表現で紗矢華は、明人に刺々しく冷たく当たってしまったこともある。




そんな彼が、意識不明の重体であることを知った時は真っ先に駆けつけて。


今に至る、という訳だ。


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