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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
彼は誰時
序章
00話 黄泉路
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続けよう。
やがていつの日か、全霊を懸けて守りたいと思えるモノを守るために戦う戦士……武士となるために。
守った人々の中から己を救ってくれる人間が現れるのだと信じて。
1998年7月8日―――香川県高松。
雷鳴轟ろき、暴風が大気を引っ掻き回し、暴雨が大地に鞭うつ。
その中に暴風雨に激しく打たれながら膝を着き坐する鋼鉄の巨人たちが居た。折鶴のように端正な顔立ちと重厚な甲鉄が印象的な機体たちだ。
その機体は何れも寸差無い形状をしているが、その機体色は白が大半を占める。
そして先頭に坐するは闇が凝結したかのような漆黒の機体―――瑞鶴C型。
武家によって構成される日本帝国斯衛軍に於いて、武家以外のモノが身に纏う色だった。
『皆の集、BETAが瀬戸大橋を突破、坂出の高速道路を移動している―――このままでは高速道路を用いBETAが四国中に浸透する事となる。』
観測史上最大級の台風4号その停滞により航空兵力と海上戦力を用いる事が出来なかった日本は憎き怨敵BETAの上陸とその侵攻を赦してしまった。
完全に出鼻を挫かれ、大量の光線級の上陸を赦したこの状況はイギリス本土の上陸と死闘に酷似している――――日本はその流血を覚悟しなければならないだろう。
其処へ、中国地方へ日本海を直接横断したBETAが散発上陸、現地の指揮系統は混乱し防衛線は側面を突かれた事と相まって機能せず、中国地方の防衛線は一日前後で突破された。
そして今、BETAは四国と本島を結ぶ瀬戸の大橋を我が物顔で横断し四国へと踏み入っている。―――しかし、それは狙って行われた事であった。
『よって我々はBETA群へと吶喊し、S-11にて高速インターの爆破を試みる。―――他には目をくれるな。』
―――つまり、予想外のBETA襲来により逃げ惑う民間人を無視しなければならない。
斯の状況、腸が煮えくり返りそうだ。
何のために自分は剣を執ったのか、それ以外の道も在ったというのに……。
そんな憤りを胸にしまい込み、体の内側で燃焼させる。
沸々と体内で戦意が燃え盛る。
『そして、私が上層部に瀬戸大橋の爆破中止を提言したことは事実だ。―――私は、故郷の人々がBETAに喰われるのを良しとした外道だ。』
『―――――』
白き機体たちから一様に冷たい剣呑とした空気が通信機を介しても伝わって来ているように感じた。
『仮に瀬戸大橋を爆破したとして、そうなればBETAは中国地方でその密度を上げ、やがて九州からのBETA群と合流し地続きの近畿へと侵攻しただろう―――そうなれば帝都が危機に晒される。
己
(
オレ
)
は救った数こそ正義と、真に
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