第九十五話 夜這
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「はっ・・・知らない天井だ」
闇慈は失血で意識が飛んでどの位時間が経っただろう。闇慈は意識を取り戻し、自分が今どのような状況にいるのか確認し始めた。
(どうやら僕は何処かに担ぎ込まれて、治療されたみたいだな・・・輸血もされてるみたいだし)
闇慈が寝ているベッドの隣には輸血パックが吊るされており、左腕にはチューブが伸びていた。治療と輸血により体力は回復していたが・・・
(フェンリルに噛まれた足が全く動かない・・・こればかりはすぐには治らないみたいだな)
闇慈が噛まれた足を動かそうとしたがピクリとも動かなかった。生身は人間の闇慈は一誠や他の部員メンバーに比べて治りは遅いのは明確なことだった。
周りは暗くなっており、夜中だったので闇慈は二度寝をしようとすると・・・
「あら、お目覚めにゃん?」
「!?」
闇慈は聞き覚えのある声が耳に入ると警戒心を一気出す。そして腕を伸ばし、ステンドライトをつけ、その姿を確認した。その声の主は闇慈の恋人小猫の姉で、テロ組織【カオス・ブリゲード】の一員である黒歌だった。
「貴女は、黒歌さん!?どうして貴女が・・・」
闇慈は体が動かないものの、隣に座っている黒歌に魔眼の鋭い視線と殺気を放つが黒歌はこれを止めるように促す。
「そんなにピリピリするのは体によくにゃいにゃ。それに今は私達と貴方達和平派は協力関係にあるのにゃん」
「なんだと!?そんなデタラメを言うな!!」
「デタラメではありません、闇慈様」
闇慈と黒歌の会話に割って入ってきたのは闇慈の使い魔八咫烏の黒羽だった。
「本当なのか?黒羽」
「説明すると長くなりますが・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
黒羽に説明を受けた闇慈はしばらく黙り込む。
まずはカオス・ブリゲード全てが協力するのではなかった。カオス・ブリゲードは幾つかの面子に分けられている。今回はヴァーリを筆頭とした面子が手伝ってくれると言うより、純粋にロキとフェンリルと戦ってみたいだけで、和平派が協力しなくても勝手にやるということだった。
しかし和平派はヴァーリ以外のカオス・ブリゲードの面子からテロなどの攻撃を受けていたため、それに備えて戦力を分散させる事は困難だと言う事もあり、利害が一致をしてるヴァーリ達と一時的に協力を結んだという事だ。
「しかし。カオス・ブリゲードが内通してるって可能性もあるけど?」
「それはないにゃ。お互いに干渉しないと言うのがカオス・ブリゲードの決まりにゃ♪」
ヴァーリの性格上、他者の力を借りて物事を解決しようとする性格ではないと察していた事と、メンバー本人である黒歌が言うのであれば間違いはないだろう。
「貴女がここに居る事は分かりました。しかし小猫ちゃんは連れて行か
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