暁 〜小説投稿サイト〜
東方紅魔語り
Part6 異変前日
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異変解決時に動くとされる『博麗の巫女』。敵は一人、すぐには動かないと見て、二日後辺りに仕掛けてくると予想。質問は?」

 全員口を開かない。

「じゃあ解散、私は霧を出す準備をするわ。咲夜はその人を宜しくね」

「・・・分かりました」

 そう言い、レミリアは階段を無視して、背中にある悪魔のような翼を羽ばたかせて飛んでいった。
 後ろを振り向いてみると、そこには腕を目一杯に伸ばしてリラックスしている中華服の女性がいた。

「んー、終わった終わったぁ」

 そう呟くと、中華服の女性『紅 美鈴』は、そのまま踵を返して玄関と思わしき方向へ歩みを進めた。
 気付いてみると、同じ場所にいた筈の紫色のパジャマの女性『パチュリー・ノーレッジ』は、いつの間にか煙のように消えていた。
 場には咲夜と俺のみ。
 重たい空気が肉体を押し潰してくる。

(なんで咲夜はあんなに俺を嫌ってんだ?俺、初対面の時の他に何かしでかしたか?)

 思い返してみるが、一切覚えがない。
 だが何かしたに違いない。そうでなければ、あそこまで嫌う事は無いだろうから。
 頭を回転させ、なんとか答えを導きだそうとする。

 が、突如背後から足音が鳴り響いた。

 振り向いてみると、咲夜がナイフを構えて佇んでいる。

「えーと・・・咲夜さん?」

「あいにく、私は教えるのは得意じゃなくてね」

 そう言い終えると同時、咲夜の腕が振るわれた。

 銀のナイフが一直線に飛んでくる。

「おわッッ!?」

 顔を素早く横に動かす。
 すると、頬のすぐ近くの空気をナイフが切り裂いた。
 慌てて携帯の電源を入れ、アプリを起動する。

「ちょっ、いきなり何を・・・!?」

「実践練習の方が覚えやすいでしょ?」

 咲夜のナイフが飛んでくる。

「スパルタですねぇ!切れ味を0に!」

 空気を切り裂くナイフは、本来柔らかい筈の皮膚に当たった瞬間、その威力を失ったかのように床へ落ちた。
 零れ落ちたナイフを見、目の前の咲夜へ視線を向ける。

 ・・・が、そこに咲夜はいなかった。

「私が教えるのはあくまで『弾幕ごっこ』」

 上空から聞き慣れた声が聞こえてくる。

「幻想郷の弾幕ごっこの条件は、『能力や弾幕で打ち消さない、無力化しない』『弾幕以外の攻撃を放たない』『能力はあくまで補助とし、直接的な害のある使い方はしない』『相手が避けれる弾幕のみの展開』よ」

 上空を見てみると、そこには空中に浮かぶ咲夜がいた。
 咲夜を中心に、蒼白のナイフが展開される。

「とりあえず・・・避けてみなさい」

 次の瞬間、蒼い閃光が散った。
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