Part6 異変前日
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
ただいま俺は、何処かも分からない廊下を歩いている。
闇雲に歩き回っていれば、まあ二時間もすれば目的地に何となく着けるだろう。と思った結果、案の定迷子になってしまった。
廊下では、羽のはえた生物が忙しそうに走り回っている。
この生物に聞こうとも思ったのだが、話しかけてもまるで言葉が分からない。
此方の言葉は理解しているようなのだが、彼方の言葉が意味不明なものなのだ。英語とも、日本語とも違う言語で説明されても、サッパリ分からない。
「部屋で待機しといた方が良かったかもしれねぇな、無駄に歩き回るよりは・・・」
打開策はないか考えてみるが、なにも思い浮かばない。
能力で何か出来ないか考えても、どうにも出来ない。
移動速度を100にして高速度で探し回るか?壁に当たってボロボロになる未来しか見えない。
破壊力を100にして壁を破壊して短距離で探し回るか?咲夜辺りに殺されそうだから無理。
ならばこの館の広さを0にして目的地を近付けるか?壁と壁に挟まれて圧死してしまうわ。
「さて、どうするか?正直な話、ここから自分の部屋へ戻る道すらも忘れたぞ?」
記憶力を100にして歩き回れば良かったか・・・。と割と本気で後悔する。
ここで覚えている『紅魔館』の住民について整理してみた。
主、レミリア・スカーレット。
妹、フランドール・スカーレット。
メイド長、十六夜 咲夜。
そして未だ見ていないが、『門番』紅 美鈴。
そして『魔法使い』パチュリー・ノーレッジ。
恐らくだが、意思疎通が出来そうなのは上記のメンバーくらいだろう。
廊下を走り回っているのは、恐らく『妖精メイド』。
妖精とのコミュニケーションが出来ないとなると、もうメインメンバーである人物しかいない。
だが、こんな所をメインメンバーが奇跡的に通るなんて、そんな都合のいい事は・・・。
「あら、こんな所でなにを」
「又もナイスタイミングお嬢様!」
大本命、レミリア・スカーレットが廊下の奥から歩いてきた。
そのレミリアは不思議そうに此方を見ていたが、やがて納得したような表情を浮かべた。
「ロビーへ行くつもりだったのかしら?だとしたら少し早すぎるわよ?あと一時間は軽くある」
あと一時間。という事は、俺は約一時間ほど彷徨い続けていた、という事か。
「いえ、ロビーが二階ってのは分かってるんですが、道が分からなくてですね」
そう言うと、レミリアは怪訝な表情をした。
「ロビーは一階よ?」
「・・・ハイ?」
そんな事は無い、確かに二階の部分に『ロビー』と書かれていた筈・・・。
ポケットから取り出し、見取り図を確かめてみる。
やはり間違いなくロビーは二階に書かれ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ