マクロスF
0783話
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ガネから降りて周囲を見回したシェリルの口から出た第一声はそれだった。
「まぁ、ここは転移区画だからな。ほら、あそこにあるのが各世界へと向かう為の転移装置リュケイオスだ。シロガネのように巨大な艦も運用する必要があるから、自然と相応に巨大な空間になる訳だ」
「それに何も無いと言っても、移動用のエアカーとかはあるわよ」
そう告げながら姿を現したのは、ホワイトスター内を移動する為のエアカーに乗ったレモン。人数的に1台では足りないと思ったのか、その後ろにはもう1台のエアカーをスレイが運転して待機していた。
「シロガネと戦闘に使った機体は量産型Wに整備させるように命令しておいたわ。それと、何か緊急の事態が起こった場合以外は私達に連絡が来る事も無い。……さて、アクセル。それにシェリルだったわね。家で色々とお話をしましょうか」
笑みを浮かべつつ告げてくるレモン。既に逃げ場は断った的な感じだが、せめてもの救いは浮かべている笑みから負の要素を感じない事か。……その分、面白そうな笑みを浮かべてはいるんだが。
レモンと一緒に乗っているマリューとコーネリアも同様の笑みを浮かべている。
……普通、自分の恋人が新しい恋人を作ったとかになれば、もっと修羅場ってもいいものだが。その点は包容力の高いレモン達に感謝、だな。
「ええ、そうね。色々とお互いに理解し合う必要が出てくるでしょうし」
そんなレモンの笑みを受け止めるようにシェリルも言葉を返す。
「ふふっ、さすがにアクセルの恋人になるだけあって度胸はあるようね。さ、後ろのエアカーに乗って。私達の家に案内するわ。ああ、アクセルもそっちにね」
シェリルの事が気に入ったのだろう。同じ笑みでも面白そうなものから満足そうな笑みへと種類を変えてレモンが告げる。
その言葉に頷き、俺とシェリルはスレイのエアカーに乗って居住区画へと向かう。
やはり年齢が近かったり、性格的にも似ているところがあるからだろう。スレイとシェリルは移動途中でも会話がそれなりに弾んでいた。
「あたしとしては、スレイのおかげでアクセルと会えたんだから感謝してるわよ?」
「確かに今回は運が良かった。転移先が偶然フロンティア船団とか言ったか? そこだったのだから。これが宇宙だったら……」
確かに正直な話、今回の転移は驚いた。まさか地球からこれ程離れた場所に転移するとは思ってもみなかったからな。これまでの転移もギアス世界、ネギま世界は地球だったし、唯一地球じゃ無かったSEED世界だって地球からそう離れていない――フロンティア船団に比べて――コロニーだった。
……こうして考えると、意外に転移先はランダムっぽい感じだな。
「あら、アクセルの場合は宇宙でも普通に生き残る事が出来るんでしょ?」
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