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第一章
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ある筈だ。だがこうして言葉を交えさせるのは明らかにはじめてだ。
 そのはじめての出会いはもうすぐ終わる、私はこのことを感じながらそのうえで駅員さんに言葉を返した。
「それで」
「そうですね、だから余計に寂しいです」
「そう言ってくれますか」
「どうも寂しがりやでして」
 駅員さんはここでも苦笑いになって私に言った。
「誰か一人でもいなくなりますと」
「寂しいのですね」
「そうです、では新しい街でも」
「そこでもですね」
「楽しく過ごされて下さいね」
「そうしたいですね」
 私は駅員さんのその顔を見て微笑んで答えた。
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