『語り合い』
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犬っころとカラオケ店。
まず酒を頼む。
おなか空いた言うから御飯モノもガッツリ頼んだ。
で、躊躇無くいきなり歌い出す。
アカペラじゃ無いのが逆に新鮮だったりする...
注文したモノが全部揃ってから食べ出す犬っころ。
あっと言う間にペロッと食べたのにはビックリした。
そしたら、真剣な顔で真っ直ぐ零那を見るから少し焦った。
『今日は、零那さんの人生、過去を教えて欲しかったんです。前回話した後、いろいろ考えてたんです。俺の今後の人生は、零那さんの過去を詳しく聞けば絶対に何かが変わると思った。こないだは何も聞かんかった...聞けんかったけど、知りたい!嫌じゃなければ!』
零那は迷った。
正直、面と向かって過去を話して欲しいなんか言われたこと無いし。
でも、零那の経験が役に立つんなら...
『解った。何をドコから話せば良い?聞く方も覚悟は要るよ?零那も覚悟する。あんたを信じる。あんたの為になんねやったら話す。』
まず家庭環境。
最悪な実母と養父からの虐待、レィプ、兄姉からのイジメ。
家庭内生き地獄。
養父の子供やから憎んでた罪無き弟の事。
最愛の実父の事。
弟に対しての憎しみは、少しの間一緒に暮らしただけで綺麗に無くなった事実。
他の家族に対してはマダ憎しみが消えてない事実。
養父に限っては見かけたら殺そうとさえ思ってた。
でも、実際見かけた時は過呼吸なって呼吸困難から心停止。
こっちが殺された。
生き返らされたけどね。
情けないやら悔しいやら...
殺してやるって気持ちは強いくせに体はビビってんねん。
まいるわぁ...
負けた気ぃしかせぇへん。
犬っころは、たったこれだけの事で既に心がしんどそうだった。
『そんな事、ドラマや本の世界みたいで信じれん...』
『ほんまやな。夢だったら良かったのにって思うよ。ドラマや本かぁ...なるかな?売り込もっか♪』
半分本気で、半分冗談。
笑いながら言った。
『無理して強がらんといて下さい!一生、絶対、何があっても消えん傷やのに...』
『ん〜...そんな思うほど無理してないよ?でも文章能力無いから売り込みは無理か♪
それに意外と強くなれるもんやで?てか、警察と検察の聴取が拷問やったから麻痺ったんやろな♪
弱っちぃまんまやったら生きていかれへんしな。こんな醜い汚い世界じゃ。だって矛盾だらけやんか世の中。
素直に真っ直ぐ生きるなんか無理。てか、純粋な子ほど生きにくいやん?自分も汚れるしかないんやなって思う』
『...俺なんか、全然やのに悩んで苦しんで馬鹿みたいや...』
『それは違う!イタミや苦しみは他人と比べるもんじゃない!!
綺麗事や理想論ばっか言ってても何も変わらん。
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