二心同体の愚者
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に遭遇し、この世界が『PERSONA3』の世界であることに気づいた時から、ずっと模索してきたのだ。この土壇場で思いつけるなら、苦労はしない。
施設からの脱走等も考えたし、うろ覚えではあるが、『PERONA』『PERSONA2』でのペルソナ入手方法たる『ペルソナ様』も試させてみたりもした。もっとも、その全ては徒労であったのだが……。
(この際、『フィレモン』でなくとも構わない。『這いよる混沌』だろうが、神でも悪魔でもなんでもいい。俺の全てをやる。透夜を助けてくれ!)
『その言葉に偽りはないな』
透真の声なき魂の絶叫に、幸か不幸か全時空に存在するといわれる旧支配者、無貌なる神が応え、透夜と透真の意識は途切れた。
透真が気づいた時、そこは無数の時計に囲まれた空間であった。そこに見覚えのある少年と、黒い人影が見える。
「気づいたようだな。まず、名を聞いておこうか?」
透真の覚醒に気づいたようで黒い人影がこちらを向いて名を質してくる。だが、透真は絶句せざるをえない。なにせ、黒い人影、いや人型をしたものには、顔がなかったのだから……。
「何を黙っている。よもや、貴様も名を言えぬのではないだろうな?」
どうやって言葉を発しているのかは不明だが、その言葉尻に不穏な雰囲気を感じ取った透は慌てて言葉を紡ぐ。
「透真、八神透真。あんたの顔がないことに驚いただけさ。無貌なる神『這いよる混沌』よ」
「ほう、私のことを知っているのか。只者ではないとは思っていたが、おもしろい魂だ。そして、やはり適性があるのだな。奴なら祝福でもするだろうがな……クククッ」
透真の言葉に愉快でたまらないというように笑う『這いよる混沌』。
「しかし、この時空で傍観者に徹している私を知るものがいようとはな。しかも、その上で私に祈るときた。笑わずにはいられんよ。だが、どうにも、不可解だ。見せてもらうぞ」
ひとしきり笑った後、『這いよる混沌』は腕を透真の頭に伸ばす。避ける暇もなく、一瞬強烈な眩暈を感じふらつくがどうにか踏みとどまる透真。
「なるほど、なるほど興味深い。このようなことがあろうとはな。貴様は私ではない私が主体的に積極的に動いている世界と、傍観者に徹しているこの世界をゲームという形で知っているのだな?」
「ああ」
「クククッ、おもしろい。いいな、貴様はおもしろい。その在り様が、その足掻き様が、この上なく無様で滑稽で、実に人間らしい!」
「なんとでもいえ。透夜が助かるなら、なんでもいいさ。さあ、透夜にペルソナを…」
「悪いが、それはできんな。貴様ならともかくな」
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