|特訓《拷問》って、いい響きだ
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銀で作られている。
「くっ、こんな物」
炎の魔剣を床に突き刺さった状態で作り出して、床に刺さる事無く魔剣が倒れる。
「なっ!?」
炎の魔剣が高熱を放っていると言うのに、周りの氷は溶け出す気配がない。それでも手枷を融かす為に這いつくばりながら転がっている魔剣の傍まで移動する。炎の魔剣を足で挟み、氷の手枷を押し付ける。しかし、床の氷と同じ様に融け出す気配が全く無い。魔剣に魔力を全力で流し込む事でようやく少しずつ融け出していく。だが、その速度は遅く、半分程融かした所で魔力が切れ、意識を失う。
再び意識を取り戻したとき、辺りは暗くなっていた。分厚い氷の壁は僅かな月や星の光を遮り完全な闇を形成している。寒さで身体も動かし辛い。炎の魔剣も魔力を失い、冷えついている。魔剣に再び魔力を流し込み、熱を得る。身体を動かせる様になってようやく空腹に気が付く。悪魔は人間と違って色々と頑丈だから数日は持つはずだが、氷の手枷だけでこの状況だ。餓死する可能性が頭を過る。
そこまできてやっと牢屋をちゃんと見渡し、毛布と携帯食料を見つけた。携帯食料は二日分だが、無いよりはマシだ。半日分を口にして毛布に包まり魔剣を抱えたまま眠りに着く。意識を失ったのでは魔力の回復が悪い。ちゃんとした休息を取りながら限界を見極めて魔力を魔剣に注がなければならない。
休息を終えてから再び炎の魔剣に魔力を流し込み半日かけて氷の手枷から解放される。融かした氷から僅かな水分を取り、再び休息を取る。次は銀の足枷をどうにかしなければならない。
再び休息を終えた僕は新たな魔剣を産み出す。この銀の足枷も氷の手枷の様に頑丈だと考えて、何の属性も持たせずに刃がノコギリ状になっている剣を作り出す。予想通り、銀の足枷もかなり頑丈である。それでも微かに削れているので諦めずに削り続ける。剣の方が摩耗すればまた新しく作り直して削り続ける。こちらも一日かかったが何とか壊す事が出来た。携帯食料を半日分を口にして再び休息を取る。ようやく本題に取り掛かれる。
牢屋の檻は芯に銀を通し、氷で肉付けされている。僕に施されていた枷よりは脆いようだけど、やはり時間がかかりそうだ。とりあえず壊す部分を決めて氷を融かしていく。慣れてきたのか氷が融ける時間が短くなっている気がする。とりあえず魔力をギリギリまで使って融かせる分だけ融かしておく。魔力が切れれば再び休息を取る。
そして、目が覚めると融けていた氷が元に戻っていた。
「馬鹿な!?誰も傍には来ていないのに。遠距離からでも氷を操れるのか!?」
あの雷帝が眷属にするだけの事はある。そして僕を力不足だと言う理由も。僕にはここまでの精度も強度も出す事は出来ない。だけど、諦めるわけにはいかないんだ!!
枷を外してから何
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