第22話 夏休みを前にして
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味津々という感じで出ていった。
残った俺は、モンモランシーに
「そういえば、サイトから預かった金貨は俺から返すのでいいんだよな?」
「そうねぇ。お願いするわ」
上級貴族が、そうそうに金の貸し借りを表立ってはおこなわないものだから、この場合は、俺が動くのが、彼女のプライドに傷をつけないというものだ。
翌日の授業は、キュルケが眠たげにしているのは最近にしては珍しいことだが、ルイズとサイトも何やら、元気はなさそうだ。ほれ薬を飲んでいた期間に何かあったのかもしれないなぁ、と思いつつもサイトには、授業後に俺の部屋まできてもらうことにした。単純に金貨を返すだけだが、俺がルイズの部屋に行くわけにもいかないだろうし、外だと目立つから、俺としても願い下げだ。
その日の晩は、夏休み前としては最後となるメイドの触診の日だ。
「そういえば、やっぱり、村へ帰ったなら、食事は野菜が多めになるんだろう?」
「ええ、そうですけど」
「うん。そうしたら、2人とも、村にもどったら、便秘薬は1目盛り分減らして10日間すごしてみて、体調に異常がなかったら、そのままでいてみてほしいんだ」
「なんでですか?」
「野菜というのは、身体の中を掃除してくれる役目を持つ食材なんだよ。だから、魔法学院の食事でも野菜を多めにとれば、必然的に便秘になりにくくなるはずなんだが、食事に関しては、味覚が必然的にリセットできるこの時期が、最適だと思ってね」
「そういうことは、夏休みが終わったら、こちらでも野菜を多くとるようにするってことですか?」
「そうだよ。よくわかったね。できれば、はしばみ草のサラダを多くとるといいよ」
「はしばみ草のサラダですか」
やっぱり、2人とも嫌そうな顔をしているな。
「この魔法学院では、生野菜としてだしているけれど、お湯で煮てから、ドレッシングか、スープにいれて食べるという方法もあるよ。その分、栄養バランスの問題で、別な野菜をとらないといけないんだけどね」
「そうはいっても」
「俺も食事はプロじゃないから、コックあたりにでも聞いてみたらどうかな?」
「そうですね」
あとは、ワインとジュースを飲んで時間をすごしてから、あらかじめ用意しておいた便秘薬を渡して夏休み明けの再会を約束して、彼女らは部屋から出ていった。
そして数日後は、ティファンヌとのデートだがあったそうそうに、あまりうかない顔をしている。
「調子が悪いのかい?」
「うーん、そうじゃないの」
「何かあったのかい?」
「何かあったというより、これからなんだけど」
「これからというと夏休みに何かあるのかな?」
「そうなの。実は父親が長期休暇がとれることになっ
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