男子校の恋愛事情C2−2
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とある放課後
旭鳴拓真がいつものように話しかけてくる
「なぁ、月宮」
「ん?」
「今日、図書室よってこぜ」
中学にあがってもコイツとは、よくつるんでいた
というか、向こうが勝手にくっついてくる
いつも旭鳴と登校して下校する…
それはもう決まりごとのように続いていた
「ああ…用もないしいいけど、本でも借りんのか?」
「おー」
旭鳴は曖昧に返答した
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小学生の頃と変わらず
図書室には、人が少ない
「えっと…」本を探し出した
「お前、今は何読んでんだ?」
「漱石」
『漱石って《夏目漱石》か…』
さすがの俺でも夏目漱石くらいは知っている
ちなみに、読んだことはない
「…」
「…」
だんだん人がいなくなり、最後には俺たちと先生だけになった
「おーい、旭鳴と月宮、先生もう閉めたいんですけどー」
「あ、はーい」
そんな、ことを言っているとどうやら旭鳴も本を見つけ出したようだ
「おい、旭鳴もー帰ろっ」
「ごめんな、月宮」
俺たちは、図書室をあとにした
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下駄箱まで来ると、どうやら雨が降りだしたようだ
「うえっ!まじかぁ…」
どうやら今日はついていないようだ
「俺、傘持ってるから月宮使えよ」
俺の前に1本の傘がズイっと出される
「ええ!!いいよいいよ」俺は手をブンブン振って
目の前の傘を押し返した
「でも…あ!そうだ、お前が入れよ」
急に手を握って傘の中に引っ張り込まれた
「!!」
「どうした?」
サラッと握られ、小学生の時、図書室での出来事を思い出した
『可愛くって』
まだ、微かに耳に残っている
『今更だけど、何であんなこと…』
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高校で急な告白
気づく
コイツはもしかして
ずっと、俺のことが好きだったのかもしれない…
……。
俺は考えることをやめた
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