第四章 誓約の水精霊
第四話 燃え上がる夜
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なたに駆け寄りたい……
血を流し、雄叫びを上げるあなたに駆け寄りたい……
崩れ落ちそうになるあなたを抱きしめたい……
あなたが泣かないというのなら、代わりにわたしが涙を流します……
あなたが助けを求めないというのなら、代わりにわたしが助けを求めます……
あなたが血を流さなくなるまで……
あなたが助けを求めなくなるまで……
あなたが……強くなるまで……
ほんの少しでいいんです……どうか、傍にいさせてください……――
それは、怯えと不安を抱きながらも、誇り高く響く声……
――あなたは、わたしなんかには勿体ないくらいに凄い使い魔……
強くて、色々な経験をしてて……何でも知ってて……気位とプライドだけが高くて、癇癪持ちのわたしの使い魔だなんて……今でも信じられない……
こんな厄介なわたしを……あなたはいつも助けてくれたね……
土くれのフーケに襲われた時……アルビオンでワルドに殺されそうになった時……
あの時……本当に嬉しかった……でも、ね……
でも……本当に嬉しかったのは……
覚えてる? あなたは……シロウは覚えてる?
夕日が差し込む教室で、魔法が使えないゼロのルイズだと嘆くわたしを、シロウはわたしの頬に手を添えながら……優しく……優しく言ってくれた言葉を……
わたしはゼロじゃないと……ルイズに呼び出され、契約した自分がいると言ってくれたことを……
そして……誓ってくれた……
赤く染まった教室の中……あなたの剣がわたしと共にあり、あなたの運命も私と共にあると誓ってくれた……
そんなあなたに……
一体……一体どれだけわたしが救われたか……
いつからか……わたしは夢を見るようになった……
それは、ただの夢ではないと、何故かハッキリと分かった……
その夢で……あなたは人を救っていた……そして……傷付いていた……
救えなかった人の家族に……殺した相手の家族に……何も知らない人に……傷付けられて……
それでも、あなたは人を救っていた……
……あなたは救うことに何の見返りを求めなかった……それはとても尊いこと……それは素晴らしいこと……だけど……人はそれを理解出来なかった……
理解出来ないものは恐ろしい……だから、あなたは遠ざけられ……傷付けられた……
……わたしも全部理解出来てるわけじゃない……シロウが何であんなに傷付けられながらも人を救うのかなんて……
だけど……傷付けられながらも自分の夢に向
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