第四章 誓約の水精霊
第四話 燃え上がる夜
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を掛けてきた士郎に抱きついた。
「どうした?」
「しろ、う……しおうっ……あた、ワタシっ!!」
汗が滲んだ顔、どろりとした熱が篭った瞳……明らかにルイズは……欲情していた。
震える身体を抑えるように士郎に抱きついたルイズは、情慾に濁った瞳で士郎を見上げる。
士郎はルイズの両肩に手を置くと、ルイズを説得し始める。
「落ち着けルイズ。お前の身体には今、ある薬が身体を犯している。だから――」
「うるさい」
「え?」
今の状態のルイズが何を求めてくるか理解していた士郎は、ルイズが行動を起こす前に説得しようとしたが、ルイズの今までの息も絶え絶えの様子から一変して落ち着いた声に狼狽の声を上げる。
「うるさい……っ!」
「なっ?!」
一瞬肉欲に染まった瞳で睨みつけられた士郎の身体が強ばった瞬間、ルイズが士郎の身体をベッドに向かって押し出す。
ルイズの士郎の身体を押すタイミングが、士郎の身体が強ばった瞬間と合致したことから、士郎がベッドに向かって数歩後ずさると。
「よっ」
「んしょ」
「な、シエスタ?! ロングビッ――」
いつの間にか後ろに立っていたシエスタ(赤らんだ顔と淫欲に染まった瞳)とロングビル(赤く染まった顔と欲望に浸った目)が士郎の外套を掴むと、ドアの正反対に設置されている、三人は優に寝れるキングサイズのベッドに向かって士郎を引き倒した。
「つ、な、何を、え?」
三度続けてギシリと、ベッドが軋む。
仰向けにベッドに倒れた士郎の上に、ルイズ、シエスタ、ロングビルの三人が跨ってきたからだ。
ベッドに手を突き、迫ってくる三人に士郎は必死に説得を行う。
「ま、まて三人ともッ! お前たちは今っ、薬のせいで正常な判断がつかない状態だッ!! このままでは、後悔す――」
「「「ば〜か」」」
「え?」
腹にルイズ、左腕の上にシエスタ、右の腕にロングビルが跨がり、士郎の動きを押さえ込んでいた三人は、馬鹿にしたような声で士郎を罵倒した。
声は馬鹿にしたように軽く聞こえたが、士郎は、自分を見つめる三人の瞳に欲望の色が消え、優しく、とても優しい目で自分を見つめていることに気付いた。
「正気にもど――」
「後悔何かするわけないでしょ……だって」
「しません、後悔なんか……だって」
「馬鹿ね士郎。後悔? するわけないでしょ……だって」
自分を見下ろす三人の様子に、士郎は見覚えがある気がした。
三人の様子にデジャヴを感じ、戸惑う様子を見せる士郎に、三人の女は声を揃え――
――だって――
「「「好きなんだから」だからね」ですから」
ふわりと柔らかに、優しげに、そして何より愛おしげに見つめながら告白してくる三人に、士郎の鼓動が強
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