第四章 誓約の水精霊
第四話 燃え上がる夜
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外套を掴んでガクガクと士郎の身体を揺さぶろうとするルイズだったが、士郎の鍛え抜かれた身体は揺れることはなく、反対にルイズの身体が揺れるだけであった。
ガクガクと揺れるルイズの体を両手をルイズの肩に置いて止め、士郎はルイズを諭しだす。
「まあ、落ち着けルイズ。確かに強制的にここまで連れてこられたが、特に何もされてはいないぞ。ただ、食事を一緒に取っていただけだ」
「しょっ、食事って! 食事なら食堂で食べても別にいいでしょっ! 何でミス・ロングビルの部屋で! しかもなんでミス・ロングビルがドレスを着て、るの、よ……」
「ルイズ?」
顔を怒りで赤く染め、怒髪天を突く勢いで詰め寄ってくるルイズの声が尻すぼみに消えていく様子に、士郎が訝しげな顔でルイズの顔を覗き込むと。
「……ぁ……ぇ……?」
「ルイズ?」
怒りで釣り上がったルイズの目尻がダラリと垂れたかと思うと、瞳の中にとろりとした熱が泳ぐのが見えた。
「ふぅ……っぁああぅ、はぁうっ?!」
「るっ、ルイズッ!?」
悲鳴の様な驚愕の声が上がったかと思うと、突然抱きしめるように自身の身体に手を回したルイズが床に跪く。
その様子に慌てた士郎の手が、ルイズの肩に触れた途端。
「ヒッ?! ふあっ! ッんぅあッ?!!」
「なっ!」
電流を流されたかのように、一瞬びくりと身体を仰け反らせたルイズはぐたりと地面に倒れ伏した。
ルイズの肩に触れた瞬間の状態で固まる士郎の目の前で、ルイズは地面の上でびくりびくりと身体を震わせている。
「ルイズ……」
「ぁ、あ、ぁ、ぁ、はぁ、あぁ……ひ、ぁ……ぅぅぁ、ひぁッ!!」
動かなくなったかと思うと、急にビクリと動き出すなど、まるで壊れた玩具のような様子のルイズに、士郎は声も出ない。
「こ、これは……」
「あ、え? な、え……っこへ?」
戸惑ったような声を上げるルイズだが、その声は誰にでも分かる程の快楽の色が見える。
いつにないルイズの様子と、これまでの経験から原因を推測した士郎が、テーブルの上にあるワインをグラスに注ぐと、その中に指を入れる。
「解析開始」
――水、エタノール、糖、グリセリン、アミノ酸、核酸、タンニン、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酢酸、コハク酸――
ここまでは普通のワインの成分だが…………っ! これはまさかっ!!
「マチる――なっ?」
ワインの中に入っていたあるものに気付いた士郎が、ロングビルに問いただそうと顔を向けようとした瞬間。
「しろ……う」
「る、ルイズ? どうした?」
唐突に強い力で外套が引っ張られ、士郎の身体は無理矢理ルイズに向けられ。さらに、ルイズは心配気に声
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