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魔法科高校の生物兵器
入学編T
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「・・・・え?」


「大丈夫か?」


「・・・・・・・・俺、何か言った?」


「・・・いや、何でもない。気のせいだ」


恭夜は達也にそうか、と素っ気ない返事をして空を見つめる。
達也はまるで心が無い人形のような兄をしばらく見つめて、やがて情報端末に落とした書籍データへ意識を向けた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


開いていた端末に時計が表示された。
達也は読書に没頭していた意識が、現実に引き戻される。
入学式まで、あと三十分。

「新入生の方ですね?開場の時間ですよ」

愛用の書籍サイトからログアウトし、端末を閉じて兄に声をかけようとしたちょうどその時、頭上から声が降って来た。
恭夜も声に気づいたようで、声のした方へ顔を向けている。
声をかけた女性は美少女なルックス、小柄ながらも均整の取れたプロポーションと相まっていた。

「ありがとうございます。すぐに行きます」

「あっ、申し遅れました。私は第一高校の生徒会長を務めています、七草 真由美です。ななくさ、と書いて、さえぐさ、と読みます。
よろしくね」

彼女の自己紹介を聞いて、達也は思わず顔をしかめそうになった。

(数字付き《ナンバーズ》・・・・・しかも「七草」《さえぐさ》か)

魔法師の能力は遺伝的素質に大きく左右される。
魔法師としての資質に、家系が大きな意味を持つ。
数字付き(ナンバーズ)とは優れた遺伝的素質を持つ魔法師の家系のことであり、七草家はその中でも、現在最有力と見なされている二つの家のうち一つだった。
つまり、彼女はエリート中のエリートというわけだ。
達也は何とか愛想笑いを浮かべて、名乗り返した。

「俺、いえ、自分は、司波 達也です」

達也が返事をした次の瞬間──










「──ズッキューーーン!!」

恭夜が頬を赤らめて大声を出した。

「え?」

「始まったか・・・・」

何が始まったかというと、恭夜は無類の──美少女好きだ!つまり・・・・相手を口説く。

「美少女だ!長い黒髪が清楚さを感じさせるが、少し小悪魔っぽさを出した笑顔がとても素敵だ!!」

「え?え?//」

真由美は頬を赤らめる。
まあ、無理もないだろう、恭夜は性格以外はイケメンだ。
そんな男に自分のことを褒められたら赤らめるのは当然だろう。

「気にしないで下さい、兄の恭夜は美少女好きなんです」

「え?兄?び、美少女好き?///」

「真由美会長・・・・いや、真由美!好きだ!俺と結婚してくれ!!」

「え、えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!/////」

もう真由美の顔はリンゴのように真っ赤にして驚いた。
会って数分もしない
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