虚無-ゼロ-part1/目覚めの時
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間に変わったことで口々に恐怖を露わにし、それが更なる恐怖となって伝染していく。このまま恐怖が伝染すること、それはファウストたちにとって好都合だった。その恐怖と絶望の感情が、自分たちにとっての力の源でもあったのだから。やがて恐怖は、トリステイン軍にも伝染してしまう。
「光が差し込んでこない…ここはいったいどこなんだ!!」
「ウルトラマンまで敵だなんて…何でもアリかよ、レコンキスタは!!勝てるわけねえよ!」
しかも、三人のウルトラ戦士と同様、闇属性とはいえウルトラマンまでも敵として自分たちの前に立ちふさがっている。ウルトラマンはすでにこの世界の人間にとって無敵の存在として認知されている。そのウルトラマンが、三人のウルトラマンたちよりも戦力的に数の多いうえにどれも彼も厄介な怪獣を従えている。
まずい、このままでは我が軍が瓦解してしまう。
「静まりなさい!我々はトリステインを守るために国中から集められ、選ばれた戦士の精鋭!そんな我々が恐怖におびえるなど許されません!」
アンリエッタは必死に恐怖に飲まれないように呼びかけたのだが、軍からも民たちからも恐怖が消え去らなかった。彼女もまた恐怖に駆られていた。
「しかし、あの黒いウルトラマンは怪獣さえも従えていますぞ!我々はただでさえ編成過程の部隊を寄せ集めてきただけ…戦力的にまず勝てる見込みがございません!」
一人の貴族がアンリエッタにそういうが、マザリーニが彼女に耳打ちしてきた。
「まずは殿下が落ち着いてくだされ。将が取り乱しては、軍は瞬く間に敗走してしまいますぞ」
「…枢機卿、彼らに勝ち目はあるでしょうか」
今の言葉で少しだけ落ち着きを取り戻したアンリエッタが、マザリーニに問う。3対6。頭数だと厳しい状況だ。いかにウルトラマンといえど限界というものが存在する。
「彼らに、何かしらの切り札があれば、この状況さえも打開できるでしょうが…」
アンリエッタは聞いても仕方のないことを尋ねてしまったと思った。ウルトラマンはまだ未知なる存在というイメージが強く、実際この世界でも、まして地球でも彼らのすべてを知ることができた人間など長年の間誰一人としていない。なのに不利な状況に立たされても勝てるだろうか?なんて問うてもどうしようもない。
だが、それでも彼らは戦うのだろう。彼らの肩には、この世界のすべての未来がかかっているのだから。だが、この世界の命運がかかっているのは何もウルトラマンたちだけではない。この世界に生きる、人間たちにもかかっているのだ。
このまま黙って見ているなど、自分で「ウルトラマンにすべてをゆだねるなど恥だ」と言った自分を否定することとなる。
「各員に命じます!」
土と風のメイジを最前列に置き、空気と土の壁を形成して、タルブ村の住人達を防衛。こちらに攻撃の余波が届かないようにしつつ、グ
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