虚無-ゼロ-part1/目覚めの時
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今の白い光の影響か、シルバーブルーメとサドラから受けた呪縛は解け、自由の身となっている。
「ん?君のカラータイマー…元の青い輝きになっているな」
「!」
カラータイマー、という単語自体は聞いたことないが、ネクサスはそれが自分のコアゲージのことを指しているいると察知し、自分の胸元を見る。確かにレオの言うとおり、青い輝きに戻っているではないか。ただ、もう一つ気になったのは、ルイズの詠唱を聞いていた時と同様に、コアゲージ付近の胸元に刻まれたルーンが、いまだに赤い輝きを放っていることだ。
(このルーンが、あの白い光をエネルギーに変換したというのか?)
彼はさっきの白い光を思い出した。すさまじい爆発だった。ウルトラマンの光線技でもあれほどの威力を放つことはできない。しかも、あれだけの攻撃範囲だったにもかかわらず、自分たちウルトラマンはおろか、地上の人間たちに一切の被害がなかった。まるでRPGの魔法のように、正確に敵だけにダメージを与えることができたのだ。まさに、魔法らしい魔法だった。
ふと、ネクサスとレオ…そして地上の人間たちはあることに気が付く。
ゼロの姿が…変わっていた。この世界でのゼロの姿は、本来の姿の上に、訓練用の分厚い鎧『テクターギア』を装備した姿だ。
しかし…今は…。
「鎧が、ない…」
そう呟いたのは、シルフィードの上から見下ろしていたキュルケだった。無論彼女だけじゃない。誰もが、今の彼の姿に注目を集めた。ゼロの周囲には、テクターギアの残骸と思われる鉄くずの山が出来上がり、彼自身は本来の姿を現していた。
「貴様は…!」
ファウストがうろたえた様子でゼロに問う。
「俺の名は…」
『いいか、ゼロ。お前の父の名前は…』
彼の脳裏に、レオが先日語ってくれた真実の言葉が走馬灯のように浮かぶ。
金色の瞳を研ぎ澄ませ、自身の引き締まった青と赤の体を確かめ、ファウストの方を振り返りながら彼は名乗った。
「ゼロ!ウルトラマンゼロ!『セブン』の息子だ!」
今ここに…真の意味で、ウルトラ兄弟三番目の弟の息子にして、七番目の兄弟の弟子。
新たなウルトラ戦士、『ウルトラマンゼロ』が誕生した。
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