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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
虚無-ゼロ-part1/目覚めの時
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の時、ゼロの姿に変化が起こっていた。彼の体を包むテクターギアが、サイトの左手首のリング型のテクターギアがひび割れ、二人の姿が重なった途端に、ついに砕け散ったのだ。二人は今一度一つとなったのだ。
まだ、戦いは終わっていない。なにせ、ファウストをはじめとした敵の気配はいまだに感じられるからだ。
大切なものを守るために…。
「よし…行こうぜゼロ、デルフ!!」
「『おう!!』」
サイトがこれまでにないほどの笑みを浮かべ、ゴーグル型アイテム『ウルトラゼロアイ』を右手の指先でつまみながら、自身の顔に装着した。ミライたちが教えてくれた、あの『勇気の出るおまじない』と同じ方法で。



『「デュワ!!」』



ウルトラゼロアイが装備された瞬間、ゴーグルの両目のレンズが、金色の光の渦を巻き起こす。サイトの体の周囲を、光から精製された二本のブーメランが回り、赤と青の光のラインを描く。やがてサイトの顔は、頭上から変化を見せ始めた。頭から六角形で黄金色の眼を持つ銀のマスクが顔を覆い、胸と肩・二の腕にはプロテクターが装備される。胸にカラータイマーが埋め込まれ、その下は胸から足先が青く、内股と肘が赤く染まった肌に変色する。最後に、二本のブーメランが彼の頭に装着され、再び世界は白く染まっていった。今度は二人の姿を、完全に覆い尽くすように。



「…う…今のは…?」
アンリエッタは恐る恐る目を開いた。今のはいったい何なのだ。上空に光の玉が現れ、太陽のように光を放り、すべてを飲み込んだ。皆はいったいどうなったのだろう。辺りを見渡すと、そこには自分と同じように驚いた反応のトリステインの兵たちやタルブの村人たちがそこにいた。すぐそばに控えているマザリーニもいる。ほっと安心するアンリエッタだが、次に空を見た途端、彼女は再び驚愕する。
ファウストが自分たちを包み込んでいた闇の空間…ダークフィールドが初めからなかったかのように消滅し、昼下がりの空の下の、元のタルブの景色に戻っていたのだ。
「見たか、今の光を!あれは、始祖が悪に決してくじけまいと応え、救いの光をもたらしてくださったものだ!各々方、始祖の祝福は我らにあり!」
茫然としている皆を見て、われに返ったマザリーニが叫ぶ。すると、あちこちのトリステイン軍の兵たちから歓声があふれ出した。
「うおおおおおお!!トリステイン万歳!!」
「枢機卿…今の発言は?」
アンリエッタがそっとマザリーニに耳打ちする。
「とっさに浮かんだ、真っ赤な嘘です。ですが、今はだれもが判断力を失っています。私もそうですし、誰もが目にした光景を信じられずにいるのです。しかし、これで彼らに、我々に勝機が見えた。根拠はありませんが、それは確かだと思います。何せ、あの黒い巨人が張った邪悪な空間は、あの光に滅されたのですから。
殿下
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