虚無-ゼロ-part1/目覚めの時
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が分かれ、失敗を繰り返してきた。
でも、もうそんな失敗を繰り返すわけにはいかない。今の自分たちには、いがみ合うことなんかよりも大切な、守りたい人たちがこの世界にいるのだから。
――――ときには、自分の背後を振り返って、守るべき者たちの姿を見てみるといい
――――そこにはきっといるはずだ
――――頼もしい『仲間』たちがな
最後の特訓後に送られたレオの言葉が、さらに浮かぶ。
義母の戦友のひ孫にして、優しくてかわいく料理・家事が上手なメイドのシエスタ。一見その美貌ゆえにそれを利用し男趣味が悪く見えるようで、実際は面倒見がよく自分たちのことを見守ってくれたキュルケ。何を考えているか読めず・静かに本を読んでいるだけのようでさりげなく自分たちを手助けしてくれたタバサ。キザなセリフを言うがいまいち決まらないくせに、気持ちばかりは本気なギーシュ。
そして、わがままで高慢ちきなお嬢様、サイトとゼロのご主人様、ルイズ。
いつか地球に帰る前に、彼らがこれまでの平和な暮らしができるようになるためにも、戦わなくてはならない!肩を並べるに足りる、仲間たちと共に。
すると、サイトとゼロの間に一筋の金色の光が、雫のように落ちてきた。それがはじけ飛び、一瞬だけ強い輝きを示し、サイトとゼロはとっさに顔を覆った。光がやむと、二人の間に、金色のゴーグル型のアイテムがふよふよと浮いていた。
「これって…!」
ふと、サイトは数年前、自分がツルギ=ウルトラマンヒカリへの恨みを募らせ、それをバルタン星人に一度利用された事件の後のことを思い出す。
『すみません、コノミさん。眼鏡を貸してもらえます?』
『え?いいけど…何に使うの?』
あのあと、メビウスことヒビノミライが、GUYSの仲間たちから迎えに来てもらった時のことだ。彼は仲間の一人の女性、アマガイ・コノミから眼鏡を借りると、サイトの前に歩いてきた。
『サイト君、ちょっと見ててね』
いったい何をするつもりなのだろう。不思議に思ってとりあえず見てみると、ミライはコノミから借りた眼鏡を右手の親指と人差し指で掴み前に突き出すと、それを変わった掛け声を上げながら自分の目の上に重ねた。
『デュワ!』
はたから見たら、ミライには申し訳ないが奇妙に見えたそのポーズに、サイトはミライが何をしたかったのかよくわからず首をかしげた。
『…あ、あの…今のは?』
『勇気の出るおまじないだよ』
(…勇気の出るおまじない、か)
ミライとコノミとの、ちょっとした出来事を思い出して笑みをこぼしながら、サイトはそのゴーグル型アイテムを手に取る。
サイトがゼロに視線を向けると、ゼロはサイトに対して頷き、サイトもまたゼロに頷いて見せた。その白き空間の中で、ゼロの体がすう…っと再びサイトの体の中へと吸い込まれる。そ
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