虚無-ゼロ-part1/目覚めの時
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ル……
光の文字が頭に飛び込み、一種のトランス状態に陥っていたルイズの脳裏に、誰が倒すべき敵で誰が味方かが浮かび上がる。
サドラ。
ケルビム。
シルバーブルーメ。
ノスフェル。
ジャンボット。
そして…ファウスト。
その時…。
詠唱は、完成した。
「…爆発〈エクスプロージョン〉…」
ルイズは心のままに、杖を振った。杖から、一発の白い光の玉が、ダークフィールドの上空へと舞い上がった。白い光は、太陽よりも強く輝きながら破裂し、ダークフィールドの闇を食らう様に、白い輝きで真っ白に景色を塗り替えた。
『…エラー…エラー……』
白い光を浴びる中、ジャンボットはゼロと交戦していたにもかかわらず、バトルアックスを背中に仕舞い込んだ。悪の意思に取りつかれていたかのように真っ赤に染まっていたその赤い瞳が、輝かしい金色の色に変わっていた。
『……こ…の…魔法……ブリ…ミ…ル…様……?』
不思議なことに、彼の眼からエメラルド色の光の雫が…涙としか言いようがない光があふれ出ていた。呟いた途端、彼の眼の輝きが消滅し、ジャンボットはその場で機能を停止、ジャンバードの形態に自動で戻った。
「グウウウオオオオオオオ!!!!」
「グゲエエエエエ!!!」
すべての者たちから視界が奪われた最中、怪獣やファウストたちの悲鳴が轟いた。
白い光を浴びて、ノスフェル・サドラが体中から火花を起こしてダウン、そのまま絶命した。
「グ…」
その光の影響は、怪獣だけではない。この場において、皆の命運を背負う若き戦士の身にも強い影響を及ぼしていた。
白き光。それはまるで、プラズマスパークコアの輝きのように強く感じ取れた。真っ白な光にすべてが呑み込まれたとき、ゼロの脳裏にある光景が浮かぶ。
水晶のように美しい街並みと、数多くのウルトラマンたちが空を飛び交う星、光の国。今から、ウルトラマンにとって人間でいう数十年の時の長さではあるが、人間の年月とはるか昔の出来事だった。
一人の、小さな子供ウルトラマンがいた。彼は物心がついたころから、一人ぼっちだった。ずっと前に母親が殺されしまい、父親は誰なのかさえもわからないし、生きているのか死んでいるのかもわからない。誰も彼のことを褒めてくれなかった。その孤独感が、彼をいらだたせた。しかし彼には夢があった。自分の境遇に不満がのあったその少年は、自分のように親を亡くして悲しい思いをする人が一人でも減るように、宇宙警備隊で立派なウルトラ戦士になることを目標としていた。
それを聞いた、ある赤いウルトラ戦士がゼロに優しく、期待を込めた言葉を贈った。
『君のその優しさが、きっとみんなを守り、救ってくれることだろう』、と。
だが、どんなに努力をしても、…ゼロにとって一番ほ
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