結集-コンセントレイション- part1/発進せよ!ウルトラホーク3号
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、果たしてこの状況でそれが実現するかどうか。
アンリエッタも母であるマリアンヌ太后と共にこの場に出席していた。イライラした。自分の国の臣下が、言い争ってばかりで、何をなすべきなのかも見定めないまま。
なんだこれは。ウェールズたちアルビオンの王党派たちはきっとこの国や自分のために戦い散っていったというのに、この者たちの何と情けないことか。ゲルマニアとの同盟が必要になるほど国力が低下した原因を垣間見たように思えた。
「怪獣のことなど、ウルトラマンに任せておけばいいのだ!きっとレコンキスタの軍も追い払ってくれる!」
不毛な言い争いの果て、ついにこんないい加減なことを言ってのける貴族までもが現れた。それに賛同するように、口々に貴族たちは続ける。
「よし、ここはウルトラマンがアルビオンの愚か者共を排除してくれることを願おう!」
「ウルトラマンは始祖ブリミルが我々のために使わせた神の使いに違いない!」
「きっと彼らなら、アルビオンへの侵攻にも力を貸してくれる!彼らの勝利を祈り…」
久野の重臣でありながらあまりの無責任な言動に、マザリーニやマリアンヌは、この国ももうすぐ終わるのではないだろうかと言う絶望感を抱き始めた。
「お黙りなさい!!!!」
あまりにも貴族として恥ずべき発言ばかりを繰り返す重臣たちに、アンリエッタはついに激怒した。椅子から立ち上がり、いつもの姫らしいお淑やかな姿とは打って変わった姿と大声に、一斉に会議室は静まり返った。少女の気迫とは思えないアンリエッタの気迫に押され、貴族たちはアンリエッタに、畏怖を抱きながらも注目する。母でさえ、ウェールズの悲しみに暮れていた時の表情とは打って変わった娘の顔つきに驚いていた。
「今の発言を申した軽挙妄動な輩は誰ですか?そのようなことを言った自分が恥ずかしくないのですか!?この世界とは縁もゆかりもないウルトラマンが、頼みもしていないのに私たちのために命をかけて戦ってくれたのですよ!なのに、この国の英雄たるウルトラマンを、まるで便利屋や戦争の道具のように言ったその発言…貴族として、いえ人間として愚の骨頂だとは思わないのですか!?我々貴族は、力なき民のために力と権力を与えられた身!本来ならウルトラマンたちが成していることを、我々が成し遂げなくてはならないのが当然です!!たとえ相手がどんなに強大な存在であっても、愛する国民のために戦わずして何が貴族ですか!!」
その言葉に、誰も言い返せなかった。命惜しさ、民の身の安全とそれにかこつけた保身に走るあまり、貴族としての理想の姿からかけ離れてしまったことに気づいた。
「あなたたちは怖いのでしょう?命より名を惜しめと嫡子に教えているくせに、いざ命の危機となると何もせずただじっとしている。反撃の計画者になって敗戦の責任をとりなくないから、あのような非人道的な叛徒
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