結集-コンセントレイション- part1/発進せよ!ウルトラホーク3号
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いたレオキックだが、本気の威力のものではない」
「何!?手加減してやがってたのか!?」
自分がまるで弱者扱いされているように感じたゼロは、これまえレオが自分相手に手を抜いていたことに屈辱を感じる。
「ゼロ、お前は手加減されているとも知らず、その威力で俺の蹴りを破ったつもりでいるようではまだ青二才だ」
「な、なら本気でレオキックを出してみろよ!」
手抜きなんかされたと聞いて満足できるか。オラかかってこいや!と言わんばかりにくいくいと手招きしてレオを挑発する。
「いいんだな?」
「宇宙人に二言はねえ!」
是非とも卑劣な侵略者に教えてあげたい言葉でせがむと、レオは受託したのか自慢の足に炎を灯らせる。再び空中バク転しながら飛び立つと、さっきの何倍もの炎を滾らせた必殺の〈レオキック〉が、ゼロに襲いかかってきた。
数秒後…。
「ごふ…」
『さ、さすがはウルトラ兄弟…ルイズのお仕置きより…痛い…ガチで……』
レオキックの爆発力にあっけなく敗れ野原にボロボロの状態で倒れたテクターギア・ゼロ(+サイト)の姿があったとさ。
「ふう…お前という奴は調子に乗るとすぐこれだ。調子に乗るとすぐに転ぶ」
今の一言は、サイトにもどこかグサリとくるものがあった。事実、サイトもゼロも調子に乗ると、感情の抑制が効き辛くなり、物事が失敗しやすい傾向になってしまう。
変身を解いて手を伸ばしてきたレオ=ゲンの手を、同じように変身が解けたサイトは握り返し、引っ張られながら立ち上がった。
「そういえば、おおとりさん」
「なんだ?」
「どうして、あなたはそこまでしてゼロを鍛え上げてくれたんですか?」
ふと、サイトは疑問に思っていたことをゲンに対して尋ねてみた。
考えてみればゼロは、元は力を求めるあまり故郷さえも蔑ろにした重罪人、ウルトラマンを名乗る資格を失った男でもある。そんな立場の宇宙人を、なぜレオが師として鍛えてくれていたのだろうか。寧ろ、故郷を失った経験のあるレオからすれば、ゼロがかつてとった行動はとても許しがたいもののはず。
『そういや、俺も…いや、俺の方がずっと気になってたんだよな。ったく…この質問は普通俺がするはずのもんだろ』
一人サイトの中でごちるゼロを軽く流し、ゲンはその理由をサイトたちに明かした。
「託されたからな。ゼロの、実の父親からな」
「…え?」
レオの口から突然明かされた言葉に、サイトもゼロも一時絶句した。
『…じゃあ、あんたは俺の親父が誰なのか知ってるのか!?』
「お前もよく知っている人物だ。今のお前がエネルギーコアに手を出し身を滅ぼしかけた果てに、ベリアルのように悪に落ちることがなかったのも、父親がいたからこそだ」
「…!!」
「お前の父の名は…」
ゲンの口から語られた事実は、ゼロの心の中で何かを変えた。
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