第百七十話
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第百七十話 作詞も作曲も
晩御飯を家族で食べて後片付けもしてだった、お風呂に入って歯も磨いてやることを全て終えてからだ。亜美の母は娘に言った。
「ほなはじめるで」
「今からやな」
「作詞と作曲の歯仕方教えたるわ」
娘に笑顔を見せての言葉だ。
「まず言っとくけど下手でもええ」
「それでもええんかいな」
「まず作るこっちゃ」
それからだというのだ。
「出来不出来なんか気にしたらあかん」
「ほんまに下手でもええんかいな」
「うちはそういうことで怒らへんわ」
絶対に、という口調での言葉だった。
「今までそういうので怒ったことあらへんやろ」
「それもそやな」
「チャレンジが大事やねん」
これが亜美の母の考えだった。
「何につけてもな」
「下手でもよくてやねんな」
「そや、わかったらな」
「やってみることやな」
「作詞はな、こんな感じでや」
母はここで一冊のノートを出した、開けばそこに歌詞が幾つも書いてある。見れば全て母の手書きである。
「やっていくんや」
「これを真似てええんやな」
「丸写しはあかんで」
これは却下だというのだ。
「ちゃんと文章自分で考えて書くんや」
「参考にしながらやな」
「それで作曲はな」
母は今度は楽譜のノートを出して娘に見せつつ話した。
「こんな感じで。作詞と合わせてな」
「作っていけばええんやな」
「それで具体的にはや」
どうするかもだ、母は娘に話していく。だがここで時計を見てだった、娘に今度は少し残念そうな顔で言った。
「名残惜しいけれどもう時間や」
「また明日やな」
「そや、また明日教えたるわ」
「ほな頼むで」
「作詞作曲もコツがわかればや」
それで、というのだ。
「出来て来るさかいな」
「コツやねんな」
「作詞も作曲もな」
そのどちらもというのだ。
母は娘にそのコツも教えていく、亜美の作詞作曲はこれからだった。まずは一日目が終わってこれからだった。
第百七十話 完
2014・9・19
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