第二章
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第二章
「学生の本分を果たしに行こう」
「全く。二人共何考えてるのよ」
「それで何やってるのよ」
周りはそんな彼女を見ても言うのだった。
「一体。訳のわからないことばかりして」
「相思相愛だしわかってるんだし言えばいいのに」
「それで一発で話が終わるのに」
「何やってるのよ」
そんな二人の行動がわからないのだった。しかし二人はだ。お互いのことも気持ちもわかっていながらだ。何故かどちらも動かない。
ある日のことだ。英美は部活の剣道部の服で放課後の校内にいた。部活が終わってその服のままで作業をしていたのだ。
上下共に白の道着が実によく似合う。しかしである。
「何でまだ着替えないの?」
「道着でって」
「何でなのよ」
「うむ。何でもない」
こう言うだけの英美だった。そのうえでゴミ捨て場までものを捨てている。
そしてだ。そこにである。
拡樹が来た。彼もまた、であった。
部活のバスケ部のユニフォームでいた。他の者はジャージだというのに彼女だけはだ。その服でこれまたゴミ捨て場にゴミを捨てていた。
「早く着替えればいいのにな」
「そうだよな」
「それで何でユニフォームのままなんだよ」
「意味がわからないな」
周りはそんな彼を見てこう話す。
「すぐに着替えればいいのにな」
「それでまだ着替えてないって」
「どういうことなんだ」
「別にいいじゃない」
しかし本人だけは飄々としている。
「別にさ」
「まあそうだけれどな」
「それで誰か困る訳じゃないしな」
これは拡樹の言う通りであった。
「後で着替えればいいしな」
「それでな」
こう話して納得した。そしてだ。
ゴミ捨て場に行くとだ。相手もいた。剣道着とユニフォームの姿で合う。そこで目が合うがそれでもだ。ここでもお互い何も言わなかった。
それでその場は先に剣道部の方がゴミ捨てを終えて去る。しかしであった。
また周りがだ。彼女に言うのだった。
「だからね」
「何も言わないの?」
「彼に」
「彼とは誰だ」
こう言うだけだった。
「私に何かあるのか」
「本当にわからない娘ね」
「何を考えてるのよ」
「わかってるのに」
あえて相手に何も言わない彼女にいぶかしむばかりであった。
そして拡樹もだ。周りに言われるのであった。
「いたぜ」
「挨拶もなしかよ」
「あの娘に」
「何がかな」
言っている人間が違うだけで言葉の内容は相手と同じである。
「それで」
「わかっていてわからないふりって楽しいか?」
「それってよ」
これが周りの言葉だ。
しかしだ。拡樹の顔は変わらない。それでいつものにこやかな笑みを浮かべたままでだ。こんなことを周りに対して言うのであった。
「別に何もね」
「
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