第四話
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其処にはぷにぷにと柔らかそうな肉球。
毛並みはなんとアメリカンショートヘアだ。
背中のバタフライ模様がうつくしい。
「ドクター!?」
俺はもう一度ドクターに問い詰める。
「落ち着きたまえ」
「落ち着けるわけ無いだろう!?」
「どうやったら戻る!?」
「なに、戻りたいと思えば戻れるだろう」
その言葉に俺は気を落ち着けて戻れ、戻れと念じる。
すると段々目線が高くなり、人間の姿に戻れたようだ。
「上手く行ったようだ」
「上手く行ったじゃねえ!?何を飲ませた」
「これだ」
そう言って差し出されたのは小瓶に入ったポーションのようなもの。
可愛く猫のイラストが描かれたラベルが貼ってある。
「それは?」
「お主から頼まれている使い魔のルーンについての研究の副産物といったところか。動物に変身させる変身薬だ」
マジか!?
そんな物がゼロ魔の世界にあるなんて聞いた事も無いぞ?
「ドクターが作ったの?」
ソラはドクターから小瓶をもらい問いかけた。
「ああ、私が研究中に偶然開発した変身薬だ」
「そうなんだ」
「そんな物を俺に飲ませたのか!?」
「ネズミを使った実験は成功している」
「人間には?」
「……」
ぐっ!もしかし無くても俺で実験したなコノヤロウ。
ゴトッ
なんて事を思っていると、隣で小瓶の落ちる音がした。
振り返ると今までソラがいた所に一匹の子猫が居る。
「ソラ!?」
「なぅーん」
可愛く鳴く子猫。
うっ…かわいい。
じゃ無くて!
「目線が低い。ねえ、ドクターこれって着ていた服ってどうなってるの?」
ソラが猫のまま人語を操りドクターに尋ねた。
そう言えば俺はパニクって居て気づかなかったが衣服ごと変身していたし、人語も話していたんだな。
「勿論体の一部として再構成されている、その猫で言うならば体毛の一部になっているだろうよ」
何事も無いように言っているが、この世界の技術レベルを根底から覆しているの本人は気づいているのだろうか?
しばらく猫を堪能したソラが人の姿に戻ったようだ。
「それでドクター?もしかしてこれの為に俺たちを呼んだのか?」
「そうだが?」
しれっと答えるドクター。
「いやあ、君に頼まれていた使い魔のルーン。その研究の間に使い魔になるであろう動物の調査をするのは当たり前だろう?その副産物だよこれらの薬は」
そう言って机の上に並べられる幾つ物小瓶。
その小瓶にはそれぞれ動物の絵が描いてある。
「それは?」
「熱中してついつい幾つも作ってしまった。ただ、どういう訳か幻獣種の
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