第一章
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第一章
ZIGZAGセブンティーン
「だからあの時はね」
「違うだろ、いたんだろ」
俺は嫉妬丸出しにして彼女に言った。
「相手がな」
「相手って何のことよ」
「だから男だろ」
俺達は学校の中で言い合う。廊下でまともに言い合ってるから行き交う他の連中が見ている。けれどそれに構わず言い合っていた。
「俺以外のな。いるんだろ」
「あのね、何でそうなるのよ」
「違うっていうのかよ」
「あんた馬鹿!?」
彼女の呆れた声が来た。
「っていうか何よそれ、何でそうなるのよ」
「昨日電話してた時おかしかっただろ」
俺は昨日の話を出した。
「あれ聞いたら誰だってな」
「あんた私の家来たことあるわよね」
彼女は俺の言葉にむっとして返してきた。
「そうよね。それも何度も」
「うどん屋だよな」
「そうよ。そこに誰がいたのよ」
「親父さんとお袋さんと」
俺は頭の中でこいつの家族を思い出しながら言った。
「爺さんと婆さんと御前の兄さんが二人に弟さんが三人だったよな」
「男何人いるのよ」
「七人だよ」
随分と大家族だ。書く言う俺も兄貴がいて姉貴がいて下に弟と妹だ。何と兄弟姉妹全部揃っている。嬉しいのかそうでないのか。
「多いな」
「それだけいれば当たり前でしょ」
俺に口を尖らせて言ってきた。
「誰かの声が入ってもね」
「そうなるのかよ」
「しかもあんたが昨日電話してきた時間って」
その話にもなった。
「六時位だったわよね」
「確かそうだったな」
俺は言われてその時間を思い出した。確かにそんな時間だった。外が真っ暗にはなっていないのは覚えている。結構あやふやだが。
「そんな時間だったよ」
「お客さん一杯いたじゃない」
このことも言われた。
「おじさんとか学生さんもいるし」
「それでかよ」
「そうよ。あんたのお家だってそうだったでしょ」
俺の家は八百屋だ。その時間ちょっとさぼって電話をしたって訳だ。その後で親父とお袋にちょっと小言を言われたのは気にしていない。
実は俺達は同じ商店街で暮らしている。それこそ幼稚園に入る前から一緒だ。高校も同じで十七になった今じゃこうなってるって訳だ。
「忙しいでしょ、夕方は」
「お客さんが多くてな」
その時間は仕事帰りの人が主なお客さんだ。
「ちょっとな」
「そうよ。全く」
ここまで言って溜息だった。
「あんたって変に嫉妬深いんだから」
「悪いかよ」
「ええ、悪いわよ」
即答だった。
「お陰でいつもいつもね」
「いつもいつも。何だってんだよ」
「喧嘩じゃない」
うんざりとした顔でその言葉を言われた。
「しようがないわね」
「ふん、御前がおかしなことしなかったらな
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