第6章 流されて異界
第102話 ユニーク
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体に危険はないと告げて来た根拠を口にした。
成るほど。全員が実験台と成った事が有るのなら実害が出る可能性は低いか。
しかし、それなら先ほどのハルヒの態度の原因は……。
【それなら、こいつの味について教えて貰えるかな】
実際、身体に害のある毒薬でないのなら問題はない。……とは思いますが、それでも味に付いても知りたくなるのが人情と言う物。色から想像すると超絶マズイと言われているノニジュースのような気もして来ますが。
俺の記憶が正しければあれは臭いも最悪。ただ、身体に良い事だけは確実らしいのですが。
その問い掛けを行った瞬間。あらゆる音が途絶えた。
存在するのは、俺の事を真っ直ぐに見つめるメガネ越しの綺麗な瞳だけ。
……………………。
…………。
永劫に等しい沈黙。彼女、長門有希が発して居るこの感覚は……戸惑い?
そうして、たっぷりと時計の秒針が二周出来るぐらいの時間が経過した後、
【ユニーク】
……と、短い言葉を伝えて来る。
しかし……。
ユニーク。流石に長門さんの口から、まったりとしてそれで居てクセがなく、などと言う妙に食通ぶった台詞が発せられるとは思って居ませんでしたが、ユニークと来ましたか。
暇さえあれば本を読んでいる長門さんの語彙が少ないとも思えないので、コレは本当に表現し難い味だと言う事は理解出来ましたが……。
「問題ない」
左手に不気味な液体を注いだ湯呑を持ち、何故か長門さんと視線を絡めたまま動かなく成って仕舞った俺を訝しく思ったのか、背後……。最初からそうで有ったように、非常に不機嫌な口調でそう話し掛けて来る相馬さつき。
但し、何故か今回は本当に不機嫌な雰囲気。先ほど、試験問題の間違いを指摘してくれた時は何と言うか、もっと、こう温かみのような物を感じたのですが……。
「良薬口に苦し。折角、涼子が淹れてくれたお茶なんだから、ちゃんと飲んであげるのが礼儀って言うモノでしょうが」
流石に話し掛けて来る相手に対して背中を向けたままで居るのは非常に失礼に当たるので、振り返った俺に対して間髪入れず、そう言葉を続けて来るさつき。
背中をパイプ椅子の背もたれに預け、胸の前で腕を。そして短いスカートから露わになった脚を組む少々キワドイ姿勢。しかし、妙に胸を反らせた姿勢で座っているように見えるのですが、同じ姿勢で立つハルヒと比べると妙な違和感を彼女から覚えたのも事実。
……おそらく外見年齢が四つほど違う両者の身体的特徴の差、なのでしょうが。
因みに上から順番に言うと、実測値は判らないけど弓月桜と朝比奈みくるが双璧。次がハルヒと朝倉涼子。ここに万結……神代万結も含まれると思う。そして長門さんが入って、一番小さいのが相馬さつき。
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