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蒼き夢の果てに
第6章 流されて異界
第102話 ユニーク
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えに到達出来ない、もしくは到達するのに時間が掛かるのか理解出来ない事があるらしいので……。
 それで……。
 それで、彼女の望む答えは……。おそらく、長門さんが自分の側に居てくれる事。故に、夜道を一人で帰らせる訳にも行かず、俺が彼女を家へと送り届けた、……と言う非常に無難な答えを期待しているのでしょう。
 これは俺に対する感情や、長門さんに対する感情がどのレベルの物でも大差ないとは思います。

 それにこの内容ならば、俺の正体。実は魔法使いだと言う秘密の共有は守られる可能性が高い。おそらく彼女はそう考えていると思いますから。

 片や――
 この問い掛けに対する主人公。紫の髪の毛を持つ少女へと視線を移す俺。
 彼女の場合は、どちらの答えでも受け入れるでしょう。二月の段階の彼女の能力がどの程度だったのかは判りませんが、俺が長門さんと共に事件現場を立ち去ったと言う事は、さつきよりも、弓月さんよりも彼女の方が大切な相手だったと言う事は間違い有りませんから。
 確かに一時的な脅威の邪は排除したし、さつきの能力を信用していたのは事実でしょう。しかし、俺がその場を立ち去った理由はもうひとつあると思います。

 それが彼女。長門有希が共に居たからその場を立ち去った。
 確たる証拠はないけど、何故かそんな気がしますから……。

 もう逃げる手立てがない以上、素直に今の俺の答えを口にしようと考えた矢先。

「朝比奈さん、お茶なら私が用意した健康茶が有りますから、態々新しいお茶を淹れ直す必要など有りませんよ」

 一般的な男子からは高い人気を誇りながらも、何故か俺に取っての重要度から言わせて貰うなら、この文芸部の部室に集まった少女たちの中では一番低い蒼髪の少女。妙に大きい蒼の眉毛が気に成る朝倉涼子が何時の間にか俺の傍……万結の後ろに立っていた。
 そして、まるで自分の登場シーンを待ち望んで居た劇の脇役の如き積極性を発揮。其処から一歩だけ俺に近付くと、手の中に有る湯呑に彼女の持つ水筒から健康茶と称した液体を注いで行った。

 はっきり言うと鈍感。この危険な状況で敢えて火中の栗を拾おうとするその勇気は認めますが――。いや、これは勇気と言うよりは蛮勇と言うべき代物ですか。

「はい、武神さん。少しクセが有るけど身体に良い物ばかり入って居るから、これを飲めば健康に成りますよ」

 一応、自らのピンチに一呼吸入れるタイミングを提供してくれた蒼髪の委員長に対して、非常に失礼な感想を思い浮かべる俺。ただ、彼女にそんな俺の考えが判る訳もなく、それまで彼女が魅せて居た五割増の笑顔で、その液体を勧めて来る朝倉さん。成るほど、確かに彼女もこの学校のアイドルの一人かも知れない。それは、その笑顔を一目見ただけで理解出来ようと言う物でした。

 しか
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