志乃「番外編って言っても別に大したことないけどね」
[2/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
るとすれば、生々しいかマイルドかという事だろう。
中には犯罪に発展してしまう物もあるので、それはとても許せない。が、俺にはどうする事も出来ない。今日の警察方にお任せしよう。
まぁ、そんなグレーな事ばかり語っても面白くない。だが、こうした世界には悪意と欲という物が必ずどこかしらに混在している事だけは忘れないでほしい。
俺は深く深呼吸して、心中で女性の皆さんごめんなさいと謝りつつ、成す術もないまま欲にまみれた世界への扉を開いてしまう。こればかりは俺にも止められない。大食いの人が目の前に豪勢な料理を出されて我慢出来なくなるのと差ほど変わらないだろう。にしても、こんな朝早くから無意識にエロ動画を見ようとする辺り、俺もけっこうな変態かもしれない。
グバッ!と勢いよく引き出しを開け、丁寧な手つきで教材の群をかき分けていく俺。その先に眠っているビキニ姿の女性が写ったパッケージを探す――しかし。
「……あれ?」
ない。ビキニの姉ちゃんが妖艶な笑みを浮かべてお尻をこちらに突き出している筈のマイお宝が。一年前賭けを伴った練習試合に勝利した結果その相手から獲得した、唯一のエロ動画DVDが。スーッと、何かが引いていく感覚が頭を横切っている。
ない。ないないないないないないない。ない!ない!!なああああああああああい!!俺の!秘蔵のアイテムがああああああああ!雑誌なんかじゃ満足出来ねえってのにさああああああ!!
そのまま敷きっぱなしの布団に水泳選手さながらの勢いで飛び込み、ゴロゴロと何度も往復する健全な男子高校生こと俺。だが布団の中でジタバタしてても解決するわけがないのは言うまでもない。
俺は暫くしてようやく起き上がり、椅子に座って深く息を吐く。全てを諦めたわけじゃない。むしろその逆だ。
整然と並んでいる教材群のみが積まれた引き出しを見て、忌々しげな声で宣言した。
「絶対だ……絶対に、犯人見つけてやる……」
これは絶対に解決しなくてはならない。俺の今後に関わる大問題だ。もし妹に知られようものなら……精神的に死ぬだろうね。
*****
とはいえ最初に疑うべきは俺自身だ。基本的に物を出しっぱなしにはしない性分だが、もしかしたら、という事があるかもしれない。そこでDVDを最後に見た日を思い出す。ええと、アレを最後に視聴したのはいつだっけ?最近全然見てなかったんだよなぁ。今思うけど、朝からエロ動画見ようと思った俺の思考ナイスだな。もし夜とかに気付いても、すでに手遅れだったかもしれないし。
俺は必死に考えたが思い出せなかった。第一、同じ物を毎日見るわけがないので、アレは本当にストレスが溜まった時とか、女絡みの事でむしゃくしゃした時だけ見たりしていた。後は基本的に俺が所有している
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ