暁 〜小説投稿サイト〜
横浜事変-the mixing black&white-
幾多の人間が思惑を重ね、やがて殺し合いが始まる
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れる。
「狩屋さん」
「うおおっ!ああ、暁か。今ここから抜け出す方法考えてたんだけどよ」
「行きましょう。僕らも」
「え、このまま?いや、ちょっと……」
ケンジは自分の結論を口にするとスタスタとエレベーターの方へと歩き出した。突然の行動力に驚きながら狩屋も続く。が、途中でホテルの従業員がケンジの前に立ち塞がって、陰のある笑みを浮かべた。
「君達、どこにいくのかな?」
「すいません、先程捨てに行ったゴミがまだ残っているのを思い出しまして」
「ほう、それは早くしなくちゃならないね。てっきりどこかで息抜きしにいくのかと思ったよ」
「そんな事しません」
「ならいいんだ」
今度は素の笑顔で安堵した様子を見せる従業員に対し、ケンジも普段と変わらぬ笑みを湛えて呟いた。
「ちょっとゴミが大きいんで、時間がかかるかもしれません」
*****
「……まさかお前があんな冗談を言うとは思わなかったぜ」
苦笑いしながら言う狩屋に、ケンジは困ったような顔をしながら自嘲する。
「まだ血を見ただけで気分悪くなる素人ですけどね」
「安心しな、Cの奴らもこっちに向かってるみたいだからよ。相手が何人だろうが迎え撃てるってわけだ」
「そうですね」
チームCのメンバーとは初の会合で少し喋った程度で、それ以降の交流はなかったのだが、狩屋によれば実力派の人間で揃えられているらしい。前に話した時はそんな雰囲気を感じなかったので、プロの凄さをひたすらに感じる。
しかし、そのチームCすら気付けなかった敵の存在に、ケンジは心臓の高鳴りを押さえられなかった。フロントで周囲を観察していたが、それらしい特徴を持った人間が通った記憶はない。狩屋は「くせぇ気配は感じなかった」と悔しそうな顔をして言った。だがすぐに顔つきを変えて、この後の動きについて話した。
「とにかくリーダーと姐さんが心配だ。敵が何人いるかも分からないのがウゼェけど、一緒に行動すんぞ」
「了解です」
やがてエレベーターはゆっくりと減速して、目的の階に到着する。二人はすぐに出て、状況を確認しようと辺りの通路を見渡したのだが――
パァァァン、という今では聞き慣れた音が生じた事で、方向が掴めた。
「クソッ」
狩屋は悪態を吐きながら走り出し、ケンジもそれに続いた。腰から拳銃を取り出して、迷路のように細い通路の中を突き進む。
そして一つ左に曲がったところで、ようやく仲間の一人を発見した。
「姐さん!」
狩屋が張り詰めた声で呼ぶと、宮条は厳しい顔をしながら口に人差し指を添えた。静かにしろ、と言っているらしい。どうやら近くに敵がうろついている
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