第三話
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』
ようやく帰れないと言う事を理解したのだろう、少女は関を切ったように泣き出してしまった。
しばらくして落ち着いたソラに話しかける。
『落ち着いた?』
『うん』
『そうか、それで君はこれからどうする?保護者の女性はこの前のトロール襲撃で亡くなったのだろう?』
『…うん』
記憶の融合もなくこの世界に落とされ、尚且つ言葉も未だ覚えておらず、それが原因で家の外には余り出なかったようだから、他の知り合いも居ないだろう。
どうした物か…
このまま街に返しても恐らく碌に生活もできず、生きては行けないだろう。
この世界で初めて見つけた同郷の者。
見捨てることは俺には出来そうも無い。
『家に来る?』
『え?』
『だから俺の家に』
『いいの?』
『ああ、構わない。家に来るか?』
『……うん』
小さな声で返答する。
実際彼女は俺の手をとる以外の選択肢は余り残されていなかったのかもしれないが。
冷静に考えると、美少女を連れ帰るとか…なんかコレ、光源氏みたいだな…
『そういえばこの世界での君の名前は何ていうの?ソラでは無いのだろう?』
『え?うん。ソラフィア。ソラフィア・メルセデスって呼ばれてた』
『ソラフィアか。名前の中に『ソラ』があるね。じゃあ、俺は君の事をソラって呼ぶよ』
『うん』
ソラがそう答えたのを確認して俺はソラフィアの手をとってドクターの居る部屋へ移ったのだった。
ガチャ
「どうだったかね?おや、随分懐かれたようだな」
そうなのだ、部屋から出るとソラは俺の裾をぎゅっと握って離してくれないのだ。
「まあね、それでこの子、ソラは俺が連れて帰るから」
「ふむ。ソラって言うのか。というかどうやって名前を聞き出したのだ?」
「まあ、それはその内。じゃあまた来ます、ドクター」
「そうか、また来なさい」
そういって俺はドクターと別れ、古屋を後にする。
ソラを連れて古屋を出ると、俺はソラにおぶさる様に言い、俺はフライの魔法を行使する。
『え?ええ!?空飛んでいるよ!?』
『あ、ああ。魔法使いなんだから空くらい飛べるよ』
『魔法使い?』
俺は屋敷に向って飛んでいく途中、ソラの質問に答えていた。
『そう、魔法使い』
『それって私も使える?』
『んー。魔法は貴族じゃないと使えないんだ』
『貴族?』
『そ。大きく分けるとこのハルケギニアには魔法を使える貴族と、使えない平民の二種類の人間がいる』
『?』
『つまり貴族の家に生まれ無いと魔法は使えないって事』
『じゃあ私は?』
『えっと…』
どうなんだ
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