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ロックマンX〜5つの希望〜
第三十四話 彼女達の戦い
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洗練されたデータ分析によってかわし、最大までチャージしたフルチャージショットをトリロビッチにお見舞いする。

トリロビッチ「ぐああっ!!?」

エイリア「ご自慢のアーマーも、チャージショットの前じゃ形無しね」

美しい、悪戯っぽい笑みで言ってみせる。
彼女の高度な分析能力が力の差を埋めていく。
オペレーターとして活躍し、前線のエックス達を支えてきたエイリアの“力”だ。

エイリア「(私の力は…ちゃんとあなた達の役にたってるわよね…2人共)」

脳裏にエックスとルインの勇姿を描く。

トリロビッチ「ふ、ふん!いくらアーマーを破ったからって、お前なんかに俺は倒せないさ!!」

悔しげに叫ぶと、トリロビッチは大量のクリスタルウォールを出現させた。
フルチャージショットでも破壊出来ない頑丈な柱が、空間をみるみるうちに満たしていく。

エイリア「まだそんな力が残っているの!!?」

壁に追いやられ、退路を失う。

トリロビッチ「どうだ!これが新世代型レプリロイドの真の力だ!!進化した俺達の力が世界を変えていくのさ!!お前達ポンコツが生きる世界なんてないのさ!!」

エイリア「進化…?」

彼女の胸に、初めて怒りの感情が沸き起こった。

エイリア「あなたのそんな力が進化だというの!!?ふざけないで!!」

地面を踏み締める足に力を込め、一気に跳躍。
トリロビッチの懐に飛び込んだ彼女は零距離でのフルチャージショットを放った。
フルチャージショットはトリロビッチの強固なアーマーすら砕き、敵の内部機構を破壊した。

トリロビッチ「馬鹿な…お前如きに、やられるなんて…」

エイリア「“ポンコツ”にだって意地があるってことよ」

張り詰めた空気に一石投じるように、息切れした掠れ声がエイリアの口から零れた。
柱がパリンと割れて散らばった。
ガラスのように透き通った柱は、やがて消滅していく。
トリロビッチが機能停止寸前である証だ。

トリロビッチ「ポンコツが、身の程知らず…だなあ……」

言葉は侮蔑と嘲笑に満ちていた。
死ぬ間際でさえトリロビッチは態度を変えない。
その図太さは感心すら覚える。

トリロビッチ「お前達、旧世代の世界はもう終わりさ…どんなに足掻いたって…あんた達は、古い世界と一緒にオダブツだね…」

事切れた。
歪んだ瞳が瞳孔を開き、金属の手足がだらりと投げ出された。

エイリア「そんなこと…させないわ」

届くはずのない言葉を、エイリアははっきりと告げた。
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