第1部 ゼロの使い魔
第3章 ゼロのルイズ
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密接に関係しているのです。今から皆さんには『土』系統の基本である、『錬金』の魔法を覚えてもらいます。一年生のときにできるようになった人もいるでしょうが、基本は大事です。もう一度おさらいしましょう」
シュヴルーズは、石ころに向かって、手に持った小ぶりな杖を振り上げた。
そして、短くルーンを呟くと、石ころが光りだした。
光がおさまり、ただの石ころだったそれはピカピカ光る金属に変わっていた。
「ゴゴ、ゴールドですか?ミセス・シュヴルーズ!」
キュルケが身を乗り出した。
「違います。ただの真鍮です。ゴールドを錬金出来るのは『スクウェア』クラスのメイジだけです。私はただの……」
こほんと、もったいぶった咳をして、シュヴルーズは言った。
「『トライアングル』ですから……」
「ルイズ…」
ウルキオラはルイズに尋ねた。
「なによ…授業中よ」
「スクウェアや、トライアングルとはなんだ?」
「系統を足せる数のことよ。それでメイジのレベルが決まるの」
「どういう意味だ?」
ルイズは小さい声でウルキオラに説明した。
「例えばね?『土』系統の魔法はそれ単体でも使えるけど、『火』の系統を足せば、さらに強力な呪文になるの」
「ほう?」
「『土』『火』のように、二系統足せるのが『ライン』メイジ。シュヴルーズ先生みたいに、『土』『土』『火』、三つ足せるのが『トライアングル』メイジ」
「同じ物を二つ足してどうする?」
「その系統がより強力になるわ」
「なるほど…つまり、あそこの女は『トライアングル』だから、強力なメイジ…というわけか…」
「そのとおりよ」
「ルイズはいくつ足せるんだ?」
ルイズは黙ってしまった。
ルイズとウルキオラが喋っているのを見て、シュヴルーズが言った。
「ミス・ヴァリエール!」
「は、はい」
「授業中の私語は慎みなさい」
「すいません…」
「おしゃべりする暇があるのなら、あなたにやってもらいましょう」
「え?わたし?」
「そうです。ここにある石ころを、望む形に変えてごらんなさい」
ルイズは立ち上がらない。
困ったようにもじもじするだけだ。
「ご指名だ。行ってこい」
ウルキオラが促した。
「ミス・ヴァリエール!どうしたのですか?」
シュヴルーズ先生が再び呼びかけると、キュルケが困った声で言った。
「先生」
「何です?」
「やめといた方がいいと思いますけど……」
「どうしてですか?」
「危険です」
キュルケは、きっぱりと言った。
「危険?どうしてですか?」
「ルイズを教えるのは初めてですよね
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