第1部 ゼロの使い魔
第3章 ゼロのルイズ
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のマリコルヌがわたしを侮辱しましたわ!」
握りしめた拳で、ルイズは机を叩いた。
「かぜっぴきだと?僕は風上のマリコルヌだ!風邪なんか引いてないぞ!」
「あなたのガラガラ声は、まるで風邪を引いてるみたいなのよ!」
マリコルヌと呼ばれた男子生徒が立ち上がり、ルイズを睨みつける。
ウルキオラは霊圧を解放した。
すると、マリコルヌとルイズは立っていられなくなり、椅子に落ちる。
座っていた生徒は体が重くなり、腰を曲げた。
シュヴルーズも教卓に手をつき、体を支える。
「そのへんにしておけ。耳障りだ」
静かになったので、ウルキオラは霊圧を抑える。
ウルキオラの霊圧に驚きながらもシュヴルーズはマリコルヌとルイズを叱る。
「お、お友達をゼロだのかぜっぴきだの呼んではいけません。わかりましたか?」
「ミ、ミセス・シュヴルーズ。僕のかぜっぴきはただの中傷ですが、ルイズのゼロは事実です」
クスクス笑いが漏れる。
ウルキオラはもう一度霊圧を解放する。
「聞こえなかったのか?…耳障りだと言ったはずだ」
マリコルヌは震えた声で言った。
「ぼ、僕は貴族だぞ!没落貴族の君が…」
「黙れ…殺すぞ?」
ウルキオラは霊圧をさっきの倍にした。
「ひっ…」
マリコルヌは尻餅をついて床に落ちた。
教室のクスクス笑いが収まった。
ウルキオラは霊圧を抑える。
それを見たシュヴルーズは、マリコルヌを魔法で椅子に座らせた後、気を取り直して言った。
「で、では、授業を始めますよ」
シュヴルーズは、こほんと重々しく咳をすると、杖を振った。
机の上に、石ころがいくつか現れた。
「私の二つ名は『赤土』。赤土のシュヴルーズです。『土』系統の魔法を、これから一年、皆さんに講義します。魔法の四大系統はご存知ですね?ミスタ・マリコルヌ」
「は、はい。ミセス・シュヴルーズ。『火』『水』『土』『風』の四つです」
シュヴルーズは頷いた。
「今は失われた系統魔法である『虚無』を合わせて、全部で五つの系統があることは、皆さんも知ってのとおりです。その五つの系統の中で『土』はもっとも重要なポジションを占めて入ると私は考えます。それは、私が『土』系統だから、という訳ではありませんよ。私の単なる身びいきではありません」
シュヴルーズは再び、重々しく咳をした。
「『土』系統の魔法は、万物の組成を司る、重要な魔法であるのです。この魔法がなければ、重要な金属を作り出すこともできないし、加工することもできません。大きな石を切り出して建物を建てることもできなければ、農作物の収穫も、今より手間取ることでしょう。このように、『土』系統の魔法は皆さんの生活に
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