第1部 ゼロの使い魔
第3章 ゼロのルイズ
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リミルと女王陛下よ。今朝もささやかな糧を我らに与えたもうたことを感謝いたします」」
祈りの声が、唱和される。
ルイズも目を瞑ってそれに加わっている。
ウルキオラはテーブルの上に並んだ料理を見て思った。
(これでささやかな糧とはな)
ウルキオラはルイズが食べ終わるまで無言で立っていた。
魔法学院の教室は、石でできている以外は大学の講義室のようである。
講義を行う魔法使いの先生が、一番下の段に位置し、階段のように席が続いている。
ウルキオラとルイズが中に入っていくと、先に教室にやってきていた生徒たちが一斉に振り向いた。
そしてクスクス笑い始める。
先ほどのキュルケもいた。
周りを男子が取り囲んでいた。
(なるほど…男がイチコロというのは本当らしいな…)
周りを取り囲んだ男共に女王のように祭り上げらている。
皆、様々な使い魔を連れていた。
キュルケのサラマンダーは、椅子の下で眠り込んでいる。
肩にフクロウを乗せている生徒もいた。
窓から巨大な蛇がこちらを覗き込んでいる。
男子の一人が、口笛を吹くと、その蛇は頭を隠した。
カラスもいた。
猫もいた。
しかし、ウルキオラが目を引いたのは、他である。
見たことのない生物なので、ルイズに尋ねた。
「あの目の玉はなんだ?」
「バグベアー」
「あの蛸は?」
「スキュア」
ルイズは不機嫌な声で答えて、席の一つに腰掛けた。
ウルキオラはその横に立つ。
しばらくすると、扉が開いて先生が入ってきた。
中年の女の人だった。
紫色のローブに身を包み、帽子を被っている。
ふくよかな頬が、優しい雰囲気を漂わせている。
(霊力をもっている所を見ると、あの女も魔法使いか…)
彼女は教室を見回すと、満足そうに微笑んで言った。
「皆さん。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみでしたのよ」
ルイズは俯いた。
「おやおや。変わった使い魔を召喚したものですね。ミス・ヴァリエール」
シュヴルーズが、ウルキオラを見てとぼけた声で言うと、教室中がどっと笑いに包まれた。
「ゼロのルイズ!召喚できないからって、没落貴族を連れてくるなよ!」
ルイズは立ち上がった。
長い、ブロンドの髪をゆらして、可愛らしく澄んだ声で怒鳴る。
「違うわ!きちんと召喚したもの!」
「嘘つくな!『サモン・サーヴァント』ができなかったんだろう?」
ゲラゲラと教室中の生徒が笑う。
「ミセス・シュヴルーズ!侮辱されました!かぜっぴき
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