第二章 彼と彼女の事情
第十話 三軍編成
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。」
全体ブリーフィングの最後に僕はこう言って締めたのだった
「「了解!!」」
「ただの説明なのに、何かカッケェ!!」
「すごい本格的だよな、機動部隊とかさ!」
「応よ、あとは本陣守備隊を何かカッコいい名前に変えてほしいいところだな。」
代表殿の言ったとおり、若干聞きなれない軍事用語に盛り上がりあがっている。そのうちSTFとかMFとかって呼ぶことになりそうだな。
試召戦争というなのバカ騒ぎに燃え上がる級友たちを後目に、僕はクラスの熱気から一歩引いている自分について考えていた。
そのバカ騒ぎの扇動に自分も携わっているのに、級友たちが見せるような高揚感だとかを全く持って感じていないければ、作戦の正否に神経を尖らせているわけでもない。
ただ僕は彼らとの間に一体感など持っていなければ、例え勝とうが負けようが本当はどうだっていいんだって本気で思っている自分。
やはり僕はどこまでいっても人間嫌いで、人間嫌いだなんて考えてしまうほどに他人を見下してもいるのだろう。
そんな自分に苛ついている自分を発見した僕はどうすればいいのだろうか。
代表に参謀を頼まれたとき、僕は震えが止まらなかった。
今改めて考えてみれば、あそこまで心がかき乱されたのは、全くの他人だった者からの優しさに触れたから
というのも確かにあったかもしれない。
屋上、過去。
その二つのキーワードだけで、僕の心は砂上の楼閣の如く、たやすく崩された。
思い出したくもない
それらは自らの無力さがどれほどなのか、それを眼前に叩きつけられるのと変わらない。
だからそんな中で思い乱れないよう、代表が僕に見せてくれた優しさに縋ろうと・・・・僕は必死だった。
発狂しないようにと、代表からの優しさを頼りに、自分の台風で時化始めた海のごとくの心を無理矢理に納得させて、自分の意志を自らで制御するために、僕はそれを一瞬だけ受け入れた。
でも、そのすがりついたものも、すっかり放り出している。
後生大事に掴んでなんかいれない。
本当は、それが絆だとかと呼ばれるものに発展していくのかもしれない。
だけど、僕には到底信用できるものではない。
微笑みという仮面で、生命感の乏しい痩せこけた素顔を隠している、そんな僕にとって、狂わないようにしてくれたその優しさに報いるためには、Aへの勝利という明確な物事ぐらいしか返せない。
だから、この学校公認のお遊びで代表たちに勝利を手繰り寄せる力となるべきだ。
少しはやる気は出ただろうか、分からない。
級友(本当はそう呼んでいいのかも分からないが)たちの下へ壇上から降りて近づく、まだ自分の考えに酔いしれている訳にはいかない。参謀として、皆さんに作戦を伝達しろと言う指示はまだ完遂していない。
自分の指揮下に入る面々
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