暁 〜小説投稿サイト〜
バカとテストと白銀(ぎん)の姫君
第一章 小問集合(order a la carte)
第5.5話 二人の翳
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ている時はやらないが、ほぼ習慣の一部と化しているこの行為。
体が楽な分頭が一層働かせやすくなる、ような気分に成る。
天井に腕を伸ばしながらついさっきの出来事を思い返す。
「妃宮千早、俺がもしあの頃のままアイツに会わずに突き進んでいったらお前みたいに成っていたんだろうよ。」
小学校の高学年でアイツと出会い諸々の事故を経て、俺の物の見方は決定づけられた。
あの時の後悔さを晴らすためにも、妃宮の前向きな協力は必要不可欠だった。
それにしても最初にあいつの目を見た瞬間、俺がよく知っている張りつめた空気を感じた。オーラとでも言うんだかとにかく親近感を感じた。
「高校か中学か、何だってあぁ云う人間(れんちゅう)は成長しねぇんだろうね。」
諸々の事故、今思えば年相応の幼稚な事だったが、妃宮の場合は無駄に知恵がある奴らが相手だったんじゃないだろうか。
余裕そうな表情が一気に崩れ、真っ青に変わるほどの事をされたのか。


アイツとの勝負が主目的なのは変わらない、だが目的に俺とは似て非なる道を辿ってきた俺を助けるというのも付け加えても良いかもしれないな。
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