暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
船上から戦場へ
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だ?』
『――ん――――今――ろは、上々…………』
『……そ、か。…………《例のもの》は――――』
例のもの?と少女は首をひねる。それがこのクエストのクリアキーに繋がっているのかもしれない。
もっと何か聞き取れないものだろうか、とユウキが身をひねった時。
ゴン、と。
薄いアルミ材質だったのが災いした。体重移動の慎重さがおろそかになり、割と大きな反響音が広いダクト内に響き渡る。
思わず固まって顔を上げると、レンのほうも眼を見開いてこちらを見つめていた。その顔には、『何やってんの』と『落ち着け』という言葉が半分くらいで混ぜ合わさっているのが見て取れる。というか、顔に出しすぎ。
恐る恐る、という表現が正しいくらいに慎重にその場を離れようとする両者の耳に、ジャカッ!という明らかに不穏な音が薄いアルミの床を通した眼下から響く。
「――――――ッそ!」
最低限の、押し殺したようなレンの悪態とともに、全力でアルミの床を蹴る。力に耐えかねて床は大きく靴底の形にへこむが、しかしそれはコンマ数秒後にはまったく気にならなくなった。
ガッカカカカカカッガガガガガガザギギギッギギッッッッ!!!
薄い鉄板に幾つもの穴が開き、つい数秒前まで少年たちが潜んでいた空間を獰猛な鉛球が唸りをあげて通過していく。狭い空間のため、床に弾丸が穴を開けていく轟音は、暴力的なまでに耳を通して脳を揺さぶり、平衡感覚を鈍らせる。
数秒間、いや、ユウキ達当人にとって数分間にも思えた掃射は唐突に終わる。同時、留め金もろとも破壊しつくしたのであろうか、穴だらけとなったアルミ板がべりべりという音を残して視界から消えた。
くわんくわんと頭を揺らすユウキの耳に、かすかに野太い男の声が聞こえる。
「おかしい。確かに音がしたんだが」
「俺にも聞こえた…………ネズミじゃねぇか?」
「にしてはいやに音がデカかったような気がしたんだが――――」
気を張り詰める両者の耳に、ぼりぼりと後頭部をかく音が聞こえる。
数秒した後、最初に声を発した男のほうが折れたようだ。まぁいいか、という呟きの後、無線機でどこかへ連絡を飛ばし始める。聞き耳を立てるが、さすがに応答の声まで聞けるわけがない。
今の派手な銃撃音のことを、冗談混じりに言い交わしているらしい男達と無線機の相手をよそに、レンとユウキはダクト内で頷きあい、今度は細心の注意を払いながらその場を離れる。
充分に離れ、そして下に何の気配もないところで、レンは再び通気口の出口を空けて飛び出した。周囲を見渡し、安全確認の後でユウキも飛び降りる。
そこは、おそらく医務室か何かだろう。真っ白なカーテンで仕切られた向こう側には、簡素なベッドとサイドテーブル、こちら側には医師
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