二十二章
武田家軍議
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「織斑一真!お屋形様がお召しら『パシィィィィイン』うぅぅ・・・・・」
「呼び捨てをしていいのは一部の者たちだけだ。さん付けか様付をしろ。馬鹿者」
「痛いのら・・・・。って薫様!?ろうしてこんな男の元に!『何か言ったか、小娘!』な、何も言っていないのら」
とりあえず脅してみたけど、タイミング良すぎだな。あと綾那たちも軍議に出てもいいけど、桜花たちは?と聞くといいのらと言っていた。まあ側室だからなのかな。
「そういうことで、俺達もすぐに行くよ」
と行ってしまった兎々。何か言おうとしたが、俺のハリセンを見たのだろう。何か言ったらはたかれると畏怖でもしているのかな。
「まずは武田も大方針を決める段階なのでしょうね」
「だろうな。それに呼んでもらえるだけでありがたいことだ」
御旗・楯無に大方針を誓わせた後に軍議に呼ばれたら、俺達の案を通すのは不可能に近い。
「お兄ちゃんも武田家の一員だもん。呼ぶのは当たり前だよ」
「それについてですが、以前にも言った通り我々はどこにも属さない者の集まりです。詩乃たちは一員でも我々は・・・・」
「そこまで言わんでもいいぞ。きっと分かっていて呼んだのだろ。一真隊の四人は一員でも俺たちは別動隊だからな」
とりあえず普段着からいつもの戦闘服に着替えた。そのあと俺の妻たちは髪をとかしてくれた。桜花たちに。そして支度が出来たので、上段の間に行ったらもうほとんどが揃っていた。
「おお良人殿。いつお帰りになられたので?」
「ついさっきだ。あとこの三人も俺の隣に座っても構わんか?」
「そちらの三人の内一人は知っておりますが・・・・」
「一応紹介すると、桜花、結衣、沙紀。この三名は俺の妻の一人で側室だ。光璃は愛妾だから、その上ということになる」
「なるほど。ならば宜しいでしょう。良人殿の後ろにてお座りください」
といって詩乃たちはいつも座るところに、俺と桜花たちは光璃が座っている所に座った。桜花たちは俺の横に座っている。
「揃った」
「では、軍議を始める。粉雪」
「応!現状の報告をするぜ。先日、旦那の使いで越後に向かった早馬が、春日山に向かう途中で、春日山から南進する越後の大部隊を発見したんだぜ。で、事態は急を要すると判断した使いは、踵を返して武田領に帰還。国境の狼煙台を使って、躑躅ヶ崎館まで越後の異変を伝えてきたんだぜ。これが昨日の晩のことなんだぜ」
「狼煙でそんな細かいことまで分かるのか?」
「さすがにそれはないですよ。既に詳細な情報を持った早馬も届いていますから、詳細はそちらで」
「そういうことか。ということは、川中島からここまで、二日かかってない計算になるな」
「文だけであれば昼夜問わずに人と馬を替
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