二十二章
武田家軍議
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双方の意味であの一文を読み解くか。面白い」
「これについては、あれの注釈書を書いたことがある者がいてな。徹底的に教えられた」
「注釈書とな。それは語学のために、一度読んでみたいものだな」
「・・・・多分だけど読んだ事あると思うな」
魏武注孫子については、この時代にも出回っているはず。戦国時代からはるか昔の三国志時代だから千五百年くらい前の書物だ。俺の妻の一人に曹操、真名は華琳に教わったからな。あとこの書は孫子に曹操が注釈を入れたものだ。俺は「真・恋姫†無双」の外史にて華琳から直接読んだ本だ。あとは拠点の図書室に丁重に保管してある。
「一真。同盟に加わるつもりは、まだ・・・・」
「それなら今はまだだ。でもな、今の甲斐に長尾と正面からぶつかっていい事なんて一つもないだろ?」
「それに何より・・・・駿府攻めの大義名分は、いまだに越後側に残っています」
「あ・・・・・・・」
「そういう意味では、俺の文を持った兵が途中で引き返したのは良い判断だとは思う」
武田が鞠にどういう意味を見いだしてるか、悟らせないという意味でも。おそらく光璃もそれを美空に知られたくなくて、夕霧にも鞠の存在を黙っていたのであろう。もう一つの本命である俺のついで・・・・というより偶然連れて来られたように見せるために。
「策はある?」
「一真様の書状を持った早馬が春日山に届いていない以上、鞠さんも一真隊と一緒に前線にいるはずです」
「そして一真隊に一真様が合流出来れば、鞠ちゃんも一真隊も一真様に力を貸してくれるでしょう」
「妾部隊の本領発揮でやがりますな」
「・・・・その後は?」
「その後、ね・・・・」
「美空の説得」
「そこからが肝心でやがりますよ?」
「・・・・そこは美空次第かもな」
「なんだ。肝心の所がそれとは」
「だって、美空だし」
「そういう所が信用できない御仁なのは知っておりますが・・・・」
「やっぱり美空はダメ」
「そう言うな。俺が何とかする」
相手は美空でたぶん護法五神がいるはず。そいつらを使っても説得か、俺自身が神の姿となり双方の戦闘を停止させるか。俺の部隊が介入して武田と長尾を叩くかのどちらかだな。
「・・・・とはいえ、不要な戦を避けられるならそれは重畳。最悪、長尾と戦うにしても、氏真公をこちらに引き込めるだけでも良人殿の策に意味はあろう」
「ま、長尾が殴ってきたんだから、殴り返してもバチは当たらないだぜ」
ふむ。まだ弱いな。鞠と一真隊を仲間に出来ても、美空たちがやられると俺達の本当の目的が果たせなくなる。武田が長尾と戦いたくなくなる、という決定的なのがあればいいのだが。
「後は、一真隊が越後勢の中にちゃんと
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