二十二章
下山城×長尾勢行軍中
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「同盟があったからですか?」
「それはあまり関係ありませんね。以前同盟を結んでいて、それが解消されたから戦う・・・・というのは、枚挙に暇がありませんし」
「越後が敵対国である以上、塩の輸送路は駿府か相模経由でやがりましたからな。特に義元公には色々便宜を図ってもらったでやがりますよ」
「では、今は・・・・」
「駿府は使えないから、もっぱら相模だね。・・・・今日沙紀さんが通ってきた街も、身延道といって身延山詣でや塩商人の通る道として賑わったものだそうだけど・・・・」
「・・・・そうなのですか」
「氏真公の時代になってから、徐々に旅人も減っていったそうだけど、私がここの城代として入った時には、ご覧の通りだよ」
「一二三の来る前に、鬼が・・・・」
「恐らくね。戦や政に大きな不安があると、農民の逃散も珍しくはないものだけど・・・・駿河ではそれすらもなかったというのは気味が悪い」
「・・・・・・」
「・・・・と、暗い話になってしまったね。典厩様、明日はどうなさるおつもりで?戦勝祈願に、身延山詣ででも致しますか?」
「それも悪くないでやがりますが、明日は躑躅ヶ崎に帰りやがりますよ。今はいない兄上をいつまでも連れ回していやがると、姉上が拗ねやがりますからな」
「承知致しました。お屋形様には地図の件はそれなりに順調である事と、下山はひとまず無事だとお伝えを」
「ひとまず?」
「・・・・こちらの動きが速ければ無事だったで済む。けれど相手に先手を取られたら、どうなるか分からない。まあ、今の所は私と湖衣の二人で大丈夫さ」
「何かあれば早馬を出します。その時は後詰めをお願いしますね、典厩様」
「任せておくでやがりますよ!」
「そういえば、夕方の鬼は一二三が一人でやったのですか?」
「そうだね。それがどうかしたかい?」
「あの短時間で鬼を倒すなんて、どうやったのか気にはなります。まあドウター相手は別ですが、お家流でも持っているのですかな?」
「ははは。普通に戦っていたら時間が足りないからね。私のお家流は一撃必殺。放つ。すると相手は死ぬ」
「やはりあの一瞬で鬼どもを倒したのは、そのような奥義が・・・・」
ふむ。そういうお家流もあるのですかね。少し怪しいような気がしますが。で、少し話を聞きましたが、お家流ではなく体術と剣術だそうで。
「いや、あれは明らかに・・・・」
「いえ、その程度なら隊長もできますよ。体術や剣術や槍術とかで」
小波さんが驚く様子でしたが、隊長も出来ると言ってますし。あとは得意な射撃ですかね。
「私としては、良人殿が気になるところではある」
「隊長ですか?」
「織田、足利、果ては長尾に我ら武田。多く
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