二十二章
下山城×長尾勢行軍中
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が合うんじゃないか?」
「わ、私はそこまででは・・・・!」
「ははは。まあそれはいいとして、宴を始めましょう」
「そうでやがりますな。折角の食事が冷めてしまうでやがりますよ。あと兄上はどうされてやがりますか?」
「現在船でお休み中です。寝ないで一晩任務をしたわけですから」
とそんな感じで言いました。寝ずの番というのはこういうことかと隊長も言ってたと。そして夕霧の声に従い、食事が始まりました。和やかな空気の中、私も茶碗を取ってご飯を口に運ぼうとしましたが・・・・。
「・・・・・・・・」
箸でつまんだご飯は黄色く、口に入れると癖の強い匂いが飛び込んできますがこれはいったい?
「沙紀さん、飯の匂いが気になりやがりますか?」
「別にそういう訳ではないのですが・・・・」
「ふむ。ほうとうやお焼きも俗すぎるだろうと思って、米を炊かせたのが徒になったかな?そちらの方が良ければ、明日の朝にはそちらを用意させるけど」
「そう言ってくれるのなら助かります。船ではいつも白米でしたので。隊長なら慣れていると思いますが」
「確かに他の国に比べたら、甲斐の米は美味しくないからね。特に尾張や美濃の米に慣れていれば、それはきついだろうけど。船だったか。尾張や美濃でも違う米なのかい?」
「甲斐は米が採れづらいでやがりますし、新しい米はすぐに商人に売って銭に替えやがりますからな。沙紀さんも兄上と同様に別の世界から来たと言ってたでやがる」
だとすれば、口に入るのは古い米や雑殻が多くなるということですか。玄米なら慣れていたのですが、ここまでとは。
「ですが、麦は獲れるのですね」
「米よりは育てやすいですから。潤沢にあるとは言えませんが、それでもこのお米よりは手に入りやすいですよ」
「そう・・・・こんな米でも、甲斐ではごちそうなのさ」
この膳に運ばれてきたときに夕霧の反応を見れば、私たちの前に並べられているお膳の中身がどれほどの意味を持つのは、料理好きな私でも分かります。
「・・・・ありがとうございます」
「気を使わずとも良いでやがりますよ。躑躅ヶ崎館でも、普段はほうとうや雑穀ばかりでやがりますからな」
「であれば、明日の朝はそちらで」
「そう言って頂けると幸いです。礼ということで、これはいかがでしょうか?」
とまあ好き嫌いはないのですが、こういう所で気を使わせるのは悪いので。私たちがいつも食べている米を米俵にして部屋のところに置きました。それは隊長が創造して創った新米に米俵を創って空間から出させました。隊長もさっき起きたところで、会話を聞いていましたからね。
「これはこれはありがたい。どうやって持ってきたのですかな?」
「これは隊長の力の一つである創
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