二十二章
下山城×長尾勢行軍中
[5/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
のではないかと」
「ふふん。主様ならば、まずは余が幽にいじめられておらんか案じてくれるであろうて」
「失敬な。それがしが主をいじめよるなど、そんな畏れ多い事をするはずがないでしょうに・・・・」
「ぬかせ」
戻って下山ではまだ話し込んでいた。
「いずれにしても、越前の二の舞になる前には何とかしたい所だね。退き口は金ヶ崎だけで十分だ」
「・・・・越前の事、知っているです?」
「うちは先代から草の真似事が得意な家でね。今も吾妻衆を仕切ってる関係上、情報が入ってきやすいんだ」
「吾妻衆といえば、武田の草衆の一つですね。三つ者や歩き巫女と違い、小波も実体がよく分かっていない様子でしたか」
「その一つの頭目でもあるのですよね。一二三さんは何者です?」
「ふふっ。見ての通りの者だよ」
「ではそう言う事にしておきますか。・・・・真田昌幸さん」
「・・・・どこでその名前を聞いたのかな?」
「私たちの歴史とでも言っておきましょうか」
これは事実ですけどね。私をジッと見ているようですが、情報は常に更新しておりますし。それにこの前小波さんが言っていた真田家のに預けられている、吾妻衆。というキーワードでこの人が真田昌幸だと確信しましたけど。
「けど、鬼の一部にせよに知恵が付いてきたのは厄介でやがりますな。兄上たちが金ヶ崎で一杯食わされたのも、それが原因でやがりましょう?」
「まあそうなんですけどね。鬼が地中からの奇襲攻撃をしてきましたから。ですが、我々の力で何とかなりましたが」
「地中から、か。・・・・それは確かに、暴れるだけの連中からは考えられない動きだね」
「あの、皆さん、お食事の準備が出来ました」
「おおー、苦労でやがりますぞ、湖衣ー!」
「ではこちらに運ばせましょう」
一二三の合図に従って、侍女たちが次々と膳を運んでくる。
「おおー・・・・・」
目の前に置かれる膳には、ご飯に山菜の炊いたものに、程よく焼かれた鮎が一匹と、山菜らしい汁物が付いていました。
「これは、一二三と湖衣には随分と気を遣わせてしまいやがりましたな・・・・」
「下山で典厩様にお会いするのも久方ぶりですからね。少しは見栄は張りますとも。それと沙紀さん。屋根裏に控えている妾殿の分も用意させている。呼んでいただいて構わないかい?」
「・・・・それはありがとうございます。小波さん」
「はっ」
「というわけですので」
「・・・・ご命令とあらば」
「じゃあ、命令ということで」
「・・・・御意」
「軽い命令もあったものだね」
「小波は恥ずかしがり屋だから、そう言われないと席に着かないですよ」
「ふぅん。なら意外と湖衣と気
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ