二十二章
下山城×長尾勢行軍中
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」
「ですね。・・・・まずはそこからです」
美空様が変に拗ねたりしない限り、力を貸してくればいいのだけれど。
「・・・・越後の虎猫は一筋縄ではいきやがらないと思いやがるですよ」
「そうだね。良人殿を攫ったことの根に持っているだろうし、それこそお屋形様が祝言挙げた事についてもヘソを曲げかねないだろうね」
「やはりそこが気になりますか」
「・・・・武田と長尾は色々根が深いですから」
「飛び加藤なき軒猿がいかに精彩を欠くと言っても、良人殿がお屋形様と祝言を挙げた話は、さすがに越後に伝えているだろうしね」
「確かにそうですね。ですがいくら美空様とはいえ、むかつくからいきなり戦を仕掛けてくるとは・・・・・」
「典厩様ー!」
思わないと言おうとしたらあれは確か兎々ですかね。何かあったのでしょうか。
「典厩様ー!」
「兎々!こんな時間にどうしたでやがりますか!?」
「越後勢が信州に向けて行軍を開始という報が届いたのれす!急ぎ、躑躅ヶ崎館にお戻りくらさい!」
「あーあー。噂をすればなんとやら、だね」
「・・・・マジですか」
美空様は何を考えているのでしょうか。隊長もその事については、既に伝わっていますね。一方行軍中の長尾勢はというと。
「御大将ー。荒川伊豆守、お味方八百を率いて合流したっすー」
「そう。なら、予定通り隊列に編成なさい」
「了解っすー」
「飯山からは川か」
「はい。皆、あまり得意ではありませんが、大量の物資を運ぶには水路を使った方がやはり有利ですから」
「・・・・それにしても、このようなゆったりとした行軍で良いのか?」
「急ぎの行程じゃないから構わないわよ。海津の一徳斎の所に茶を呼ばれに行くわけにもいなかないんだし、もっとゆっくりでも良いくらいだわ」
「しかし、まさか余が直々に出向くことになるとはな」
「私だって、別に好きで何度も何度も出向いているわけじゃないわよ」
「御大将。準備できた」
「なら、総員出陣するわよ!目指すは、川中島!」
「全軍、行軍開始っすー!」
ということらしいでした。この事は偵察機で聞いたとかで。私たちはやっと躑躅ヶ崎館に帰ってきました。
「やっと帰ってきましたか」
「疲れたですぅー・・・・」
下山を出て、今度は身延道をひたすら北上。ようやく躑躅ヶ崎館にに着いた私たちを迎えてくれたのは薫でした。
「皆さん!お帰りなさい。あとその人は?」
「この人がさっき言ってた沙紀ですよ。沙紀、お帰り。隊長は?」
「ただいま、桜花。隊長は今寝ているわよ。報告書を確認してたら今日の朝になったって。だから、隊長の代わりにと。あと桜花もよ」
「この
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